【INDYCAR 第7戦】デトロイトでのダブルヘッダー、初戦はブルデー優勝…佐藤琢磨11位

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今季初優勝を飾った#11 ブルデー。
今季初優勝を飾った#11 ブルデー。 全 8 枚 拡大写真

北米最高峰カテゴリー「インディカー・シリーズ」は現地4日、デトロイトのベルアイルパーク特設ストリートコースで第7戦決勝を行ない、セバスチャン・ブルデーが今季初勝利を飾った。佐藤琢磨は予選順位と同じ11位でのゴール。

シリーズ最大最高ステージのインディ500、それもその第100回大会を終えた翌週末だが、インディカー・シリーズはデトロイトでのダブルヘッダー開催(第7&8戦)という強行軍だ。第7戦決勝は天候変化にも気を遣いつつの戦いになり、実際、一部のテレビ画面にはそれなり以上の雨滴もレース中に付着したのだが、レインタイヤの出番となるような降りにはならず、雨がレースに直接的な影響を及ぼすことはなかった。

今季ここまで3勝のポイントリーダー、シモン・パジェノー(#22 Team Penske/シボレー)がポール発進から快調な走りを見せ、彼を中心とするチームペンスキー勢の実質上位寡占という状況でレースは進んだ。しかし天候やタイヤ、燃費、さらには展開のなかでの自車や他車の位置取りをも総合的に考慮し合っての戦略攻防の末、終盤、トップ戦線に浮上してきたのが予選13位のブルデー(#11 KVSH Racing/シボレー)である。

大勢とは異なるピット戦略でレースを進めていたブルデー陣営は、レース残り3分の1強のタイミングでのフルコースコーション時、やはり大勢とは異なり、ここでは最終ピットインをしない(先送りする)という判断になった。この流れが奏功、終盤はペンスキー勢が燃費にも苦しんだのかフィールドへの支配力を急速に弱めていくなか、ブルデーはほぼ盤石といえる走りで今季初優勝をつかみとった。

「とにかく、クリーンエアで走ることが我々に必要なことだったんだ」とブルデーは振り返る。クリーンエアで走る、つまり集団の中ではなく単独で走れれば(予選は13位だったが)自分たちのマシンはかなり速い、という手応えがあったわけだ。実際、最後に先頭に出てからのブルデーは危なげなく勝利へと突き進んでいった。その速さを活かせるピット戦略で走れたからこその勝利でもあっただろう。

フランス出身37歳のブルデーは、北米最高峰シリーズが2つに分裂していた頃に04~07年とチャンプカー王座を4連覇した実績をもつ。今回で北米最高峰通算35勝目。明日のレース2に向けては、「いいコンディションでレースできることと、(今日13位だった)予選での前進を望んでいるよ。僕のマシンが最前線にいれば、それを(他の選手が)打ち負かすのは難しいはずだからね」と語り、前に出れば確実に速い、この手応えのマシンで連勝を狙う構えだ。

やはり戦略判断がうまく機能したコナー・デイリー(#18 Dale Coyne Racing)が2位に入ってホンダ勢最上位。3位はファン・パブロ・モントーヤ(#2 Team Penske/シボレー)で、ペンスキーでは彼が最上位だった。4位はグレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)、5位にエリオ・カストロネベス(#3 Team Penske/シボレー)、6位カルロス・ムニョス(#26 Andretti Autosport/ホンダ)というのが最終的な上位結果。

前戦インディ500を制したアレクサンダー・ロッシ(#98 Andretti Herta Autosport w/ Curb-Agajanian/ホンダ)は今回決勝10位。また、パジェノーは同13位だった。

佐藤琢磨(#14 A.J.Foyt Racing/ホンダ)は予選11位からスタートし、出足良くポジションを2つほど上げるところもあったが、その後は後退。上位進出の契機をつかめないままの戦いに終始し、予選順位と同じ11位でのフィニッシュとなった。

佐藤琢磨のコメント
「今日は22台中21台がソフトタイヤでスタートし、作戦でどのような違いが出るか分かりませんでした。自分たちは(レースに直接影響するような)雨が降らなかった場合は、早い段階でハードタイヤにスイッチする予定でした。実際ピットには6~7周目に入りましたが、他の選手たちの多くも同じ頃にピットインしたので、タイミングで差がつくような展開にはなりませんでしたね。

そして、今日はマシンのセッティングが良くなかったため、順位を落としていく展開になりました。戦略的にも負けていましたし、マシンももっと速くしなくてはいけません。明日のレース2では、午前中の予選で今日とは違うセッティングを試します。得意のデトロイト、いいレースを戦えるように頑張ります」。

ダブルヘッダー2戦目(シリーズ第8戦)は、引き続き明日(現地5日)開催される。

《遠藤俊幸》

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