日本電産シンポは「ものづくりワールド2016」で4月に発売した無人搬送台車「S-CART(エスカート)」のデモンストレーションを行い、来場者の注目を浴びていた。
この無人搬送台車はガイドレスで自律運転が可能なもので、床面に磁気テープなど目印をつける必要がない。工場など使用する場所のレイアウトをタブレットなどの端末に取り込み、走らせたいルートをたどり、ボタンを押して覚えさせるだけ。すると、台車が自動でそのルートをたどって搬送するのだ。もちろん、タブレットでの遠隔操作も可能だ
「使用場所が変わったり、工場のレイアウトが変わっても、端末を操作するだけなので、作業の効率化が図れると思います」と同社関係者。途中に障害物があっても、レーザーセンサーが搭載してあるので、ぶつからずに直前で止まるようになっている。そして、その障害物を取り除くと、再び走り出す。
大きさは790mm×630mm×200mmで、積載可能重量は100kg。牽引することもでき、その場合は300~400kgの荷物を運ぶことができる。高容量リチウム電池を搭載し、1時間の充電で約8時間稼動する。価格は360万円。
「4月に発売したばかりで、販売数量としてはまだ少ないですが、交渉中の企業が多く、引き合いも相次いでいます。お客さまの要望に合わせて、いろいろアレンジすることもできるので、さまざまな用途があると思っています」と同社関係者は今後の動向に期待している。
この秋には積載可能重量1tのものを1000万円で発売する予定で、これはパレットをそのまま乗せて運べるそうだ。また、今後は障害物をよけて走るものも発売したい考えで、現在開発を進めているとのことだ。