福島交通はこのほど、飯坂線に新しい電車を3カ年計画で導入すると発表した。車両の形式は1000系で、同社が新形式の車両を導入するのは25年ぶり。これに伴い、現在運用されている『7000』系電車が引退する。
飯坂線は、福島~飯坂温泉間(福島市)9.2kmの鉄道路線。かつては直流750Vで電化されていたが、1991年6月には電圧が1500Vに引き上げられた。これに伴い福島交通は、車両を全面的に更新。東急から7000系電車16両を譲り受け、2両編成5本と3両編成2本を導入した。このうち2両編成1本は2001年4月の事故で廃車になっており、現在は2両編成4本と3両編成2本の計14両が運用されている。
福島交通の発表によると、7000系に代わる車両として、東京急行電鉄(東急)の『1000』系電車を譲り受けて導入。制御方式はVVVFインバーターを採用しており、7000系に比べ消費電力が抑えられる。車内には車椅子スペースを設けるなどしてバリアフリーに対応する。
車両のデザインは、鉄道の絵を描くことで東北地方の鉄道の復興支援活動を行っている市民団体「描き鉄集団ロコ」の小松大希さんが協力。「いい歴史」「いい風情」を表すダークブラウン、「いい笑顔」「いい花」「いい実り」を表すピーチフラワー、「いいきらめき」「いい未来」をイメージしたシャンパンゴールドの3色で車体を装飾する。
1000系は2編成5両が今年10月に搬入され、2017年3月中の営業運転開始を予定。その後は2017年秋に2編成5両、2018年秋に2編成4両が搬入され、2019年春には1000系の導入が完了する予定だ。
一方、7000系は今年8月末に2両編成1本(7109+7210編成)の引退記念運転を実施し、9月末に解体される予定。その後も1000系の導入にあわせ、2019年春までに全車引退する。