米国の自動車最大手、GMは10月5日、水素燃料電池車を初めて開発してから、50周年を迎えたと発表した。
GMは今から50年前の1966年、水素を動力源とする燃料電池車、『Electrovan』の試験を行った。Electrovanは、ケネディ大統領の有人月探査計画で培われた燃料電池技術を、初めて転用した車両だった。
フロイド・ウィチャレック氏は当時、200名から成るチームと共に、Electrovan燃料電池開発のプロジェクトマネージャーとして 、燃料電池技術を初めて民生技術に転用する取り組みを進めていた。この燃料電池技術は、1962年にジョン・F. ケネディ大統領がアメリカ航空宇宙局(NASA)に指示した「1960年代の終わりまでに人類を安全に月面着陸させる」との計画が発端となり、培われたものだった。
Electrovanは、水素が車両を駆動させるためのエネルギー源として利用できるかを研究するための試験車両。ウィチャレック氏は、「このプロジェクトは3交代制で遂行され、1966年1月に始まり、10か月後に終了。燃料電池の耐久性は、試験セル内で数か月間にわたって実証された」と述べている。
プロジェクトの終了後、Electrovanは、2001年に再発見されるまでの31年間、米国ミシガン州ポンティアックの倉庫に格納。現在は、燃料電池の展示の際に使用され、外部のミュージアムに貸し出される以外はGMヘリテージセンターに収蔵されている。