【ダンロップ ウインターマックス02】「史上最高傑作スタッドレス」は本当か、氷上&雪上で試してみた

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ダンロップ ウインターマックス02 氷上&雪上試乗
ダンロップ ウインターマックス02 氷上&雪上試乗 全 18 枚 拡大写真

ダンロップの最新スタッドレスタイヤが、8月から順次発売を開始した『ウインターマックス02』だ。ナノレベルのゴム成分を採用した画期的な技術が注目を集めた前作の『ウインターマックス01』は、優れた氷上&雪上性能を発揮する秀作だった。驚いたことに、その後継となるウインターマックス02は先代を意識してか「ダンロップ史上最高傑作スタッドレス。」を謳い文句に登場したのである。ダンロップ史上ナンバー1の氷上性能と長持ち性能と言い切るほどの自信作なのだから、注目しないわけにはいかない。

◆トータル性能、耐用年数が大幅アップ

特徴のひとつは、コンパウンドにシリカの分散性を高める新ポリマー配合の超密着ナノフィットゴムを採用したことだ。凍結路面にゴムが密着する力を強め、氷上の効きを大幅にアップするとともに撥水性能も高めた。トレッド面のパターンも、ひっかき成分を増した新デザインとし、接地する面積を広げている。

また、ゴムの柔らかさを保つ、しなやか成分の新軟化剤に新バイオマス材を配合することによって効きが長続きするのもセールスポイントのひとつだ。氷上でのブレーキ性能は、経年変化によって年を追うごとに悪くなってくる。が、ウインターマックス02は、3年後、4年後でも性能低下が穏やかだ。耐摩耗性能に代表されるライフ性能も、評判のよかったウインターマックス01より延びた。雪上性能とウエット性能、ドライ性能も向上するなど、トータル性能は大きく引き上げられている。

◆氷上&雪上で性能を比較してみた

正式発売に先立つ2月、北海道の名寄市郊外にあるダンロップのテストコースでウインターマックス02の実力をチェックする機会に恵まれた。プリウスなどに新旧のウインターマックスを履いて違いを比べてみたのである。走らせてみると、前作のウインターマックス01の実力は侮れないものであることが分かった。ミューが低く滑りやすい氷上でもハンドリングは素直だ。圧雪路では雪の路面をしっかりと噛み、優れたグリップ性能を見せつけている。

だが新作のウインターマックス02は、さらに上を行く。低ミューの氷結路で発進したときのトラクション能力は、より高いレベルにあり、スムースな発進を披露した。また、ウインターマックス01が手こずった氷上の坂道も余裕で上りきる。ケース剛性が高く、ブロックのエッジも効果を発揮していた。タイトコーナーでも安定感があり、コントローラブルだ。路面のミューに関わらず、路面とのコンタクト感は優れていた。ウインターマックス01と比べて氷上路でのコーナリング性能は3%向上しているというから頼もしい。

直線路でペースを上げてもグリップ感が強いから安心感がある。制動性能も安定していた。氷上でのブレーキ性能はナント12%も向上しているそうだ。制動距離が短くなっているだけでなく、減速感も優れていた。

◆ドライ路面、ウエット路面でも安心感

実をいうと、このスタッドレスタイヤのテストを行ったときは、前日に雨が降り、気温も思いのほか高いなど、タイヤの性能を評価するには過酷な状況下にあったのである。が、悪い条件のなかでウインターマックス02は驚くほど高い実力を見せつけた。シャーベットのような滑りやすい路面でも優れたトラクション性能を披露し、路面に密着するグリップ感も強いと感じられる。また、唐突な動きを上手に抑え込み、コントロールできる領域が広げられていた。アクセルを踏み込んで加速したときの安定性と追従性、これも優れている。

また、快適性能の高さにも目を見張った。走行中のノイズは減っているし、乗り心地もしなやかだ。試作品は、ウインターマックス01より操舵の手応えが軽く感じられ、路面によってはステアリング操作に気を遣う場面もあった。が、市販モデルは、この弱点を解決し、落ち着きを増しているはずである。

スタッドレスタイヤだが、ドライ性能とウエット性能にも磨きがかけられた。ドライ路面での優れた操縦安定性はウインターマックス01譲りだ。排水性を高めた新パターンと新コンパウンドの採用によってウエット路面での追従性能も大きく向上している。氷上と雪道性能だけでなく、ドライ路面とウエット路面でも絶大な安心感があるトータル性能の高いスタッドレスタイヤ、それがダンロップの最新作、ウインターマックス02だ。

 ■協力:ダンロップ

《片岡英明》

片岡英明

片岡英明│モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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