【CES 2017】Googleの脅威が後退し、レベル3に向けた現実的な課題解決へ

自動車 テクノロジー ITS
自動防眩ミラー最大手の米Gentexの展示。高機能ミラーによる生体認識の例。
自動防眩ミラー最大手の米Gentexの展示。高機能ミラーによる生体認識の例。 全 4 枚 拡大写真

クルマ側から見た今年のCESは、自動運転実現への主導権が、Googleやアップルから自動車メーカーの手に戻り、現実的な課題解決を提案する展示が目立っていた。

【画像全4枚】

これまで完全自動運転、つまり”無人運転”を標榜して憚らず、圧倒的なソフトウェア開発力を背景に、自動運転を強力に推し進めてきたGoogleが、今回のCESを前に一歩引く形となったからだ。

一足飛びに無人運転を目指すGoogleに対抗して浮足立っていた自動車業界が、この発表によって落ち着きを取り戻したかのように、今回のCESにおいては、まずは次の「レベル3」を実現するための現実的な課題を解決するという”地に足の着いた”提案が見られた。

前置きが長くなったが、そこで今回浮き彫りになった課題とは、「AIから人間に、運転主体をきちんと引き渡すこと」の難しさだ。

自動運転のレベル3とは、「基本的には自動運転だが、必要に応じて人間が運転をする」と定義されている。つまり、AIが運転できないほどの緊急時には、人間が運転を代わる必要があるのだ。人間からすると、どんな時でも運転が代われるように準備しておいて、いざという時にはハンドルを握らなくてはいけない。でもそれは無理な相談だろう。普段やることがなければ、人間ボーっとするか、ほかのことに手を出すのがオチだ。

しかしそんな時でも、きちんと人間に運転を引き渡すための「生体認識」の技術を展示していたサプライヤーが非常に目立った。私が見たところだけでも、ボッシュ、ZF、コンチネンタル、日立オートモティブシステムズ&クラリオン、Gentex、NVIDIA。いずれも錚々たるメガサプライヤーの面々だ。生体認識の方法は様々だが、いずれもレベル3における上記の課題を解決するための提案であった。

人間の様子を認知したうえで、注意喚起のためにブザーや表示などで警告をするケースもあれば、例えばトヨタのコンセプトカー「コンセプト-愛i」のように、AIが友達のように振舞い、人間の様子を見ながら掛ける曲を提案したり、人間の感情が高ぶっていると見れば自ら運転を名乗り出たり、といった、生体認識およびコミュニケーションに対するトヨタなりの回答も見られた。

いずれにせよ、生体認識はレベル3には必須条件であり、現実的な提案も数多く見られた。遠くない未来に、当たり前のようにクルマに搭載されていくことになるだろう。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産『セレナ』の走行中もテレビ視聴が可能に、ブリッツ「テレビジャンパー」にC28系が適合
  2. ホンダ株価が急反発…米国市場で『アコード』等が好調
  3. ダイハツ『ロッキー』が3列7人乗りSUVに!?「ロッキースペース」登場の可能性は
  4. 三井金属の固体電解質「A-SOLiD」、全固体電池に採用決定…2027‐2028年の実用化めざす
  5. 【日産 リーフ 新型】開発責任者が語る、火あぶり、水攻め、落下…“拷問のよう”なテストで得た信頼性と、求められた先進感
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. ホンダ「2026ビジネスアップデート」…次世代HV15車種投入、2029年度営業利益1兆4000億円
  2. 「電気バス」でつながる聖地・高野山、導入の裏にあった合理的な理由
  3. 日本板硝子、Plug and Play Japanとパートナーシップ締結…ディープテック領域で新規事業創出へ
  4. セキュア開発における脅威分析【自動車セキュリティ解説 第2回】
  5. JFEスチール、スポット溶接安定化技術が国内自動車メーカーの部品に初採用…高強度鋼板の適用拡大に貢献
ランキングをもっと見る