デザインに3Dデータを最大限に活用…ジャガー・ランドローバーのデザイン・ビジュアライゼーションとアニメーション

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Jaguar Land Roverでデザイン・ビジュアリゼーション・マネージャーを務めるイアン・マクシェーン氏
Jaguar Land Roverでデザイン・ビジュアリゼーション・マネージャーを務めるイアン・マクシェーン氏 全 3 枚 拡大写真

オートデスク協力のもと、レスポンス編集部が10月21日に開催した『IMPRESS3D JAPAN 2016』にて、Jaguar Land Rover社が行った講演は、同社がどのようにしてビジュアライゼーションのために3Dデータを活用しているのか、そしてビジネス目標と世界レベルの結果を達成するためにいかなる組織が結成されているのかも明かされた。

登壇したのはデザイン・ビジュアリゼーション・マネージャーであるイアン・マクシェーン氏で「1922年にまでさかのぼる長い歴史、そして2001年に2つの名門ブランドが統合され、2008年にタタ・モーターズの傘下に収まった」という自社の長い歴史を簡単に説明することからプレゼンの口火を切った。

Jaguar Land Roverでデザイン・ビジュアリゼーション・マネージャーを務めるイアン・マクシェーン氏イアン・マクシェーン氏

そして、2011年にデジタルデータを最大限に活用することで効率化を高めるためにデザイン部で結成されたDVA(デザイン・ビジュアライゼーション・アニメーション)チームの話を続けた。これは、Alias データを可能な限り利用し、イメージ、アニメーション、そしてインタラクティブなバーチャル・プレゼンテーションを制作するために発足されたチームであり、発足から6年でジャガーとランドローバーの両ブランドを支援するために24名のCGアーティストが働くまで大きくなった。

チームが担っているのは、車両の初期コンセプト段階から、プリ・プロダクションモデルまでのCGI(Computer Generated Imagery) の開発だ。これは、フルサイズ・モデルを置き換える目的ではなく、それらと共存しながら捕捉的役割を果たしており、結果的に2Dと3Dビジュアライゼーション制作作業を外注業者に委託する必然性がなくなりコスト削減に成功しているという。

DVAチームには、効率性と創造性を最大化するために製品及び自動車デザイン・ビジュアライゼーション/自動車デザイン・モデリング/ゲーム業界/映画業界/テレビ放送/VRプログラミング・アプリ作成といったさまざまな業種の人間が加わっている。

同社では、デジタルにおけるデザイン・レビューのために「Autodesk VRED」を使っており、このプロセスにより、実現可能なフォトリアリズムのレベルで重要なデザイン・レビューにおける意思決定を引き出すことができるとのこと。その結果物は、重役向けプレゼンテーションクでも使われている。バーチャル・プレゼンテーションのための非常にインタラクティブでユーザーが使いやすいインタフェースを実現するために、チームは「VRED」用の独自のスクリプトを作成。また、最も高いレベルのビジュアル結果を実現するためにツールセットもカスタマイズし、「VRED」ソフトウェアをエクステリアとインテリア・デザインの両方に使用するという。

車両設計プロセスの流れに沿って、DVAチームは様々な静止画、アニメーション、初期のデザイン・コンフィグレータを作成。初期段階では、常に最高水準を保証する「VRED」を使用してイメージとアニメーションをすばやく制作。データが仕上がると、「Autodesk Maya」を用いた「ダイナミック・データ・アニメーション」へビジュアライゼーション・プロセスが移行する。この段階になるとCADデータのレベルも上がってくるので、可動部品の複雑な動きをアニメーションで見せられるようになる。これらのフォトリアリスティックなアニメーションに加え、主に社内向けとなる「パンフレット」標準イメージは、背景写真を用いて作成するとのことだ。

最後に、JLR DVAチームの今後の展望についても述べられた。現在、若い人材の育成に力を注いでおり、さらなる創造性の向上を図っている。具体的には、自動車デザイン、Aliasモデリング、クレイモデリング、デザイン・ビジュアライゼーションの4分野からいずれかを学ぶ学生の中から、1チーム5~7人を選び、協力して架空のジャガーとランドローバー車をデザインするという、2013年に設立された大学との共同課程という形をとっている。課程の修了時には、実際にデザインを考え、ハイレベルなプレゼンテーションをし、実物の40%サイズのスケール・モデルを製作、一連のデジタル・レンダリング、およびそれらのデジタル・データを使用した優れたアニメーションを作り上げることが期待されており、最終的にはジャガーとランドローバーのデザイン・ディレクター、イアン・カラム氏とジェリー・マクガバン氏へプレゼンすることになるという。

《太田 輝》

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