【プジョー 3008 新型】新世代 i-Cockpit は他モデルにも展開

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プジョー3008GT Lineデビューエディション
プジョー3008GT Lineデビューエディション 全 24 枚 拡大写真

2017年をSUV元年と位置付けるプジョー。その新モデル、『3008』の導入が開始された。

プジョー・シトロエン・ジャポンはプジョー『2008』を皮切りに、今回の3008、夏に『5008』の導入を計画している。この3モデルによりプジョーのSUVラインナップが完成するという。「SUVを購入するお客様は、要求度の高いお客様だ。そこで、そういったお客様に向けて、我々もクオリティが高く、また動力性能の高いSUVを出すことによって、プジョーブランドのイメージを更に一歩高めたい」とはプジョー・シトロエン・ジャポン商品企画グループマネージャーの関博幸氏の弁。

◇新世代i-Cockpitを採用

3008の大きな特徴のひとつは、 “i-Cockpit”だろう。2012年にデビューした『208』で初採用。その後、『308』、2008に搭載され、220万人を超えるユーザーに使われているという。

そのi-Cockpit が3008で新世代に進化。新形状のステアリングホイール、12.3インチの高精細デジタルスクリーンを用いたヘッドアップインストルメントパネル、8インチのタッチスクリーンの3点で構成される。

「小径のステアリングホイールの上からヘッドアップインストルメントパネルを見下ろすと、とても視認性の高いパネルだと感じてもらえるだろう」と関氏。このパネルの表示は目的に合わせた 4 つのモードから選択が可能だ。

この小径ステアリングのメリットについて関氏は、「小さな動きでクルマの挙動を変えることが出来ることだ」という。また、「沢山回さなくても小回りを効かせることが出来ること」とし、女性の利便性も高いことを強調。

タッチスクリーンについては、「最近ではコマンドなどの仕様が多いが、我々はタッチスクリーンで勝負する。その理由は、直感的に使えるからだ」とコメント。一方でタッチスクリーンは、様々な階層を選択しないと目的の操作が出来ない場合がある。そこで3008は「タッチスクリーンとは別にトグルスイッチを用意し、そこでメインのナビや、クルマのパラメーター変更、エアコン設定などの変更を可能にしている」と述べた。

なお、関氏によると、「小径ステアリングを含めi-Cockpitは今後のプジョーの全車種に適用されていく」とした。

◇シャープさとスポーティ感を演出したデザイン

フロント周りでは、最近のプジョーの特徴でもあるデザインが採用されている。具体的には、「フロントのLEDヘッドランプに組み込まれているかのような、シャークフィンを模したヘッドランプ周り。そして、チェッカーフラッグをイメージした大きなフロントグリルだ」と話す。

サイドビューについて関氏は、「昨今のSUVのデザインは直線を基調にした硬いデザインが多いが、プジョーの場合は曲線を多用している」。Bピラーから後ろで徐々にキックアップさせることでボリューム感を出し、なおかつ、ルーフをブラックアウト。その下にメッキのルーフラインを入れるとともに、アンダーカバーをブラックにすることでシャープさとスポーティ感を演出している。

リアは、プジョー全車種共通の3本線のブレーキランプが採用されている。これは、「ライオンの爪をイメージしたものだ」と述べた。

◇実用燃費を意識したパワートレイン

プジョー3008の日本仕様は2種類のエンジンでの導入となる。ひとつはBMWとPSA共同開発のガソリン1.6リットルターボで、最高出力165ps、最大トルク240Nmを発揮。「1400回転という低回転から最高トルクになり、3500回転まで維持。とても吹け上がりが良く、低速からターボが気づかない間に効いて来るエンジンだ」とその特徴を説明。カタログ燃費は14.5km/リットルだが、「我々は実燃費を重視しており、高速道路では18km/リットルから19km/リットルに届くだろう」という。

もうひとつは2リットルクリーンディーゼルで、308と『508』にも採用されているエンジンだ。「現在の受注では8割程度を占めている」と関氏。最高出力180ps、最大トルクは400Nmを発生する。「プジョーはディーゼルエンジンを90年以上開発、販売しているメーカーなので自信を持ってお届けするクリーンディーゼルだ」。排ガス処理はSCRを採用。AdBlueを噴霧することで科学処理しNoxを減らしている。この最大の利点は「強制的に排ガスを減らすので、エンジンは最大限の仕事をすることが出来る。つまり燃焼効率を高めて燃費も良くする。その後、別工程で排ガス処理をすると、それぞれを使い分けているのだ」。

◇進化したアドバンスドグリップコントロール

3008にはアドバンスドグリップコントロールが搭載されている。これは、これまでのグリップコントロールに加え、ヒルディセントコントロールが付加されたものだ。その操作は、センターコンソールにあるダイヤルでグリップコントロールを、その右側にあるボタンでヒルディセントコントロールの設定を行う。

クリップコントロールは通常走行のノーマルモード、そしてオフモード、 サンド、マッド、スノーモードが設定でき、「マッドアンドスノータイヤと組み合わせることで、様々な道を難なくこなすクルマに仕上がっている」という。

グリップコントロールのマッドモードについて関氏は、「例えば左のタイヤが滑り始めると、そのタイヤは積極的に回転を早めることによって、泥や石を飛ばしてグリップ力を回復。トラクションを確保した時点で、タイヤのスピードを落としそこから脱出するモードだ」と説明した。

ヒルディセントコントロールは、斜度5%から効くシステムとなっており、斜度に応じてスピードを徐々に下げ、斜度25%では3km/hぐらいまで落とし自動的に走ることが可能だ。斜度が変わるとスピードも変わり、斜度が減ると徐々に解除していくプログラムである。

3008のラインナップは、エントリーモデルのアリュール(354万円)。同LEDパッケージ(369万円)、そしてトップレンジがGT Blue HDi(426万円)だ。それらに先行してローンチパッケージの、3008アリュールデビューエディション(398万円)と、3008GT Lineデビューエディション(400万円)を発売したが、発売とほぼ同時に完売した。

関氏によると、「GT Lineデビューエディションが好評であることから、夏から秋にかけて再度投入予定だ」と発表した。

そして今年の夏に5008のガソリンとBlue HDiが投入される。「全長は3008に対して20ミリ超だが、座席が2つ増え、プレミアムSUVとして投入予定だ」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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