【インタビュー】自動運転のPDCAを回せる環境を…総務省 新世代移動通信システム推進室 和田憲拓

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【インタビュー】自動運転のPDCAを回せる環境を…総務省 新世代移動通信システム推進室 和田憲拓
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自動運転やEVなどのブレークスルーによって、自動車が変化しようとしているいま、次世代通信規格「5G」も、実用化に向けた検討が進められている。自動車のブレークスルーとITが通信によって融合したとき、モビリティはどのように変革するのか。レスポンスセミナー「5Gとモビリティ革命」に登壇予定の総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課 新世代移動通信システム推進室の和田憲拓氏に聞いた。

《聞き手 三浦和也 佐藤耕一》

---:総務省では昨年末から「Connected Car社会の実現に向けた研究会」を立ち上げて議論を進めてきました。この研究会を発足した経緯を教えてください。

和田憲拓氏(以下敬称略):以前から、ITSという言い方ですが、通信そのものはありました。それが、自動走行というテーマに広がってきたのが最近の潮流です。車両側のデータ処理能力が向上して、さらにネットワーク側から情報を得て、その情報を車両側で活用できるようになってきた、というのが、今コネクテッドカーが叫ばれている大きな要因だと考えます。

(総務省としては)自動走行というテーマにはもちろん寄与していきたいですが、それだけではなく、いろいろな情報が(車両側に)取り込めるということは、いろいろなサービスも展開できるということなので、エンターテインメントも含めて、より魅力的なソリューションを皆さんに提供できるのではないかと考えています。

言ってみれば、コネクテッドカーが実現されることによって、一番下に土台となる自動運転の話がありつつ、ドライバーに合わせたサービスを提供できたり、音声アシスタントでコンシェルジュのようなサービスが実現できたり。あるいは自動車保険では、ドライバーの運転の仕方を分析して、よりその人に合った保険を提供するなど、移動手段以上の役割を果たせるようになるんじゃないか、ということをコネクテッドカーに期待しているところです。

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---:欧米ではeコールの義務化など、政策がバックアップしながらコネクテッドカーを増やしてきましたが、それに比べて日本は足踏み期間が長いのかなという気がします。

和田:日本ではVICSやETCの普及が進んでいて、「料金支払いを勝手にやってくれるから楽だよね」ということが当たり前になってしまっているので、ネットワークから情報を得てうんぬん、というところまで結びつかなかったのではないでしょうか。通信によるメリットを感じるお客様がそんなにいなかったんだと思います。

もう一つが、通信と自動車の文化の違いが大きな壁だったんじゃないでしょうか。通信はベストエフォートで、「パケットロストしたらもう一回送ろう」という話ですが、自動車の世界ではそれがありえなくて、なぜかというと、自動車メーカーが最優先するのは“安全”だからですよね。

それが、5Gによって通信の質が向上して、“安全”の品質のところにまでだいぶ近づいてきたので、コネクテッドカーへの期待が盛り上がっているのかなと思います。

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《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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