おもちゃが走る「幻の鉄路」…奈良・五新線跡地で「木レール」イベント 3月18日

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五條市内に残る五新線の路盤。ここに鉄道玩具用の木製レールを敷く。
五條市内に残る五新線の路盤。ここに鉄道玩具用の木製レールを敷く。 全 5 枚 拡大写真

「五條市木レールイベント実行委員会」は3月18日、奈良県五條市で「第5回 木レールイベント ~君のミニ列車を幻の五新鉄道で走らせよう!!」を開催する。開催時間は11時から15時まで(最終受付時刻は14時30分)。

途中まで工事が進められたが幻に終わった「五新鉄道」の城戸駅(五條市西吉野町)跡地を会場とし、通常は立ち入りが禁止されている五新鉄道の路盤(約1km)に木製のミニレールを約1km敷設する。参加者は鉄道玩具(プラレールなど)の車両を自分で会場に持ち込み、ミニレールの上で走らせることができる。

走行料は500円。実行委によると、モーターと電池を強化してラジコン操作した車両が1kmを16分で走ったという。このほか、鉄道模型の線路も敷設。5インチゲージのほか、今回はGゲージの線路を初めて敷設し、模型列車の運転体験が行われる。

会場の城戸駅は、JR和歌山線の五条駅から新宮方面行きのバスで約30分。城戸停留所で下車し、ここから会場までは徒歩3分だ。自動車での来場も可能だが、会場から1.3km離れた多目的グラウンド「きすみ広場」に駐車する必要がある。きすみ広場から会場までは、「いすゞボンネットバス」が無料でシャトル運行する。

五新鉄道は、JR和歌山線の五条駅(奈良県五條市)から奈良県南部の山岳地帯を縦断し、JR紀勢本線の新宮駅(和歌山県新宮市)までを結ぶはずだった鉄道路線。「五新線」「阪本線」とも呼ばれる。

1936年には、現在の五條市域である五条~城戸~阪本間の約22kmのみ、国鉄線として着工。戦争などによる中断を挟みながら、1959年までに五条~城戸間約12kmの路盤がほぼ完成した。過疎地帯を通ることから赤字路線になることを危惧した国鉄は、完成した路盤をバス専用道に改築し、当面はバスを走らせる案を地元に提示。1965年から五条~城戸間を専用道経由で結ぶバスの運行が始まった。

その後、城戸~阪本間の工事が進められたが、国鉄の経営悪化を受けて1979年までに工事は凍結。五条~城戸間の専用道もトンネルの老朽化で2014年に閉鎖され、専用道経由のバスは一般道経由に変更された。五条~阪本間には今も線路敷や橋りょう、トンネルが多数残っており、2016年には五新鉄道の施設群が「土木学会選奨土木遺産」に選定されている。

《草町義和》

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