トヨタのモータースポーツ黎明期を解説…決定版

モータースポーツ/エンタメ 出版物
トヨタモータースポーツ前史
トヨタモータースポーツ前史 全 1 枚 拡大写真

『トヨタモータースポーツ前史』
トヨペット・レーサー、豪州一周ラリーを中心として昭和26年(1951年)~ 昭和36年(1961年)
著者:元トヨタ博物館・モータースポーツ部 松本秀夫
発行:三樹書房
定価:4104円(消費税込み)
2018年4月18日刊行
ISBN987-4-89522-687-5

現在は豊田章男社長のもと、モータースポーツにも積極的に参戦しているトヨタ。本書はその黎明期にフォーカスし、当時の関係者、資料をもとに克明にまとめられたものである。

1957年、国際格式の第6回豪州一周ラリーが開催され、そこに初めて日本車が参戦した。それが初代『クラウン』である。それから60年を経て現在その多くを語る人は少なくなった。さらにそこからさかのぼること6年。1951年、トヨタが自動車技術向上を目的にオートレース用車両、『トヨペット・レーサー』が開発された。

本書ではこの2つの史実を中心に当時の資料、関係者の話を中心にまとめられているが、そこには、著者である松本秀夫氏がトヨタのモータースポーツ部に所属し、また、その後トヨタ博物館に籍を置いていたからこそわかる、つまり、内部にいなければわからない事実が多く語られている。さらに車両開発工程を時系列で“いつ、誰が、誰に、何を、どうして”とわかる限り克明に記されている。資料として読み解く際にも大いに参考になる。

また、トヨペット・レーサーに関しては、採用されたシャシーの主要諸元から搭載されたエンジンまで、当時の資料や写真とともに詳細に語られているのは非常に貴重である。

なお、このトヨペット・レーサーは現在、河口湖自動車博物館(山梨県南都留郡、8月のみ開館)に保管されている。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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