クラウンってこんな楽しい車だった?…ミシュラン プライマシー4試乗

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ミシュラン・プライマシー4試乗会
ミシュラン・プライマシー4試乗会 全 14 枚 拡大写真

ミシュランが発表したプレミアムコンフォートタイヤ『プライマシー4』は、消耗時のウェット性能にこだわったタイヤだ。コンフォートタイヤにも、安全性能と燃費性能に加え、長期間安定した性能が求められる時代のニーズに応えるものだという。

【画像全14枚】

消耗時のウェット性能を出すため、タイヤのリブ溝の形状を工夫したり、コンパウンドに改良がくわえられたりしている。しかし、一般論として特定の特性を際立たせるチューニングを行うと、他の性能が落ちたりバランスが崩れる。ハンドリングやドライ性能、静粛性などに悪影響がでやすいが、プライマシー4では、その他の性能も落とさず消耗時のウェット性能を維持できるように、トレッドパターンやショルダーの形状を最適化しているという。

発表に先立って行われたテストコースの試乗会では、新品、消耗時のウェット性能の他、高速周回路やハンドリング路でのテストも行われた。車両はトヨタ『クラウンアスリート・ハイブリッド』。オーバルの高速周回路では、レーンチェンジやパイロンスラローム、高速コーナリング、バンクコーナーでドライ路面の静粛性や乗り心地、ハンドリングを試す。

ハンドリング路は適宜散水を行い、ウェットまたはセミウェットの状態で中低速のコーナリングやS字コーナーなどを試した。

車両がクラウン(アスリート)ということもあり、オーバルコースでの走行はいたって快適だ。静粛性も気になるレベルではないし、高速コーナーもバンクコーナーもしっかり曲がってくれる。レーンチェンジの動きもマイルドでヨー変化がうまく抑えられている。ハンドルを切って戻すときの揺り返しも1回で収まる感覚だ。

設定速度80km/hのスラロームも、80km/hで難なくクリアできる。これも、タイヤが車両の性能以下だと、後半でたまったモーメントによってパイロンを倒してしまいがちだが、80km/hのまま最後までパイロンをクリアできた。横方向のグリップはまずまずだ。

ストレートでは強めのブレーキングも試してみたが、これも車重を感じさせることなくリニアな減速をする。縦方向の変化にも余裕だ。コーナリングでもそうだが、グリップ、トラクションもスポーツタイヤやハイパフォーマンスタイヤのような、クイックさや堅牢な感触はない。あくまでマイルドな動きで「プレミアムコンフォート」の名に恥じない特性が感じられた。

このあたりは、サスペンションや車のボディ剛性などとも関係するので、クラウンだからといえばそうかもしれないが、逆にいえばクラウンの性能を損なわないタイヤパフォーマンスだということだ。もちろんミシュランブランドの常として、基準は大型の欧州車にあるからだろう。

ハンドリング路はウェット状態なので設定スピードも60km/h。道幅も1.5車線くらいと狭く、ストレート区間がほとんどないようなコース。通常ならクラウンクラスでウェット路面となるとスピードも上がらず運転が面倒に感じるくらいだ。しかも乗り心地を捨てていないコンフォートタイヤにはちょっと厳しいコースだ。

しかし、その印象はハンドリング路に入るとちょっと変わった。例えば、50km/h前後でアプローチできるヘアピンコーナーで、ブレーキングからクリッピングポイントまでのトレースのしやすさ。そこからの立ち上がりも、アクセルをパーシャルのまま静かに立ち上がることもできれば、ちょっと強めにアクセルを空けてもラインが乱れることもなくスムースに立ち上がってくれる。

オーバースピード気味に突っ込んで、若干フロントタイヤが滑った状態でもコントロールがしやすい。まず、滑り出しもマイルドなのであわてることがない。コントロールを失った状態ではないので、そのままグリップの回復を待つこともできれば、アクセルオフで対応することもできる。タイヤに余裕があるせいか、逆に少しだけアクセルを開けてトラクションをかけても対応できる。

なかなか懐の深いタイヤのようで、コントロールしやすくワインディングが楽しいくらいだ。「クラウンってこんな楽しい車だっけ?」とハンドリング路ではつい何周も回ってしまった。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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