【INDYCAR 第13戦】アレクサンダー・ロッシが今季2勝目…琢磨は序盤にヒットされて後退17位

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優勝した#27 ロッシ。
優勝した#27 ロッシ。 全 8 枚 拡大写真

現地29日、インディカー・シリーズ第13戦の決勝レースが米オハイオ州のロードコース「ミッドオハイオ」で実施され、アレクサンダー・ロッシが今季2勝目を飾った。佐藤琢磨はレース序盤に他車からのヒットを受けて後退、最終結果17位。

燃費的な条件やタイヤのことも考えた場合、今回は3度のピットストップが王道とみられ、実際に多くのマシンがそれを選択するなか、ポール発進のアレクサンダー・ロッシ(#27 Andretti Autosport/エンジンはホンダ)は燃費ギリギリとみられる2ストップ戦略を採ってきた。そして見事、勝利を射止める。

燃費ギリギリの戦略は、必然的にピットインの時期が限定される。そのため、アクシデント等によるフルコースイエローが発生した場合に(燃費的には恵まれたとしても)タイミング次第ではそれが多回数ストップ組に有利に働く可能性もある。だが、この日はフルコースイエローがなく、ソリッドな展開のなかでロッシはしっかりと作戦を遂行する走りを見せて今季2勝目。作戦も的中したが、そのまえにマシンの仕上がりが絶好だったようで、彼自身の走りも冴えていた。それほど過度な燃費セーブも必要なく見えたくらいで、とにかく人車とも快調だった。

#27 A.ロッシのコメント
「我々が望んでいたのは、今日のような勝利だ。(チャンピオンを狙うためには今回を含む)残り5レースで完璧な仕事をする必要がある、そう自分たちで言ってきたんだ。その“スタート”を狙い通りに切ることができたよ。レース序盤の戦い方次第で2ストップで走り切ることは可能だと分かっていた。そして、考えていた通りのレースを戦うことができたんだ。次のポコノは過去2シーズン、我々が高い競争力を発揮しているコース。また今日と同じような戦いぶりを見せたいね」

この勝利でロッシはシリーズポイント2位に浮上(448点)。ポイントリーダーで今回5位だったスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)との差はまだ46点あるが、初王座を狙ってここから追撃態勢を本格化できるか。新人だった一昨年にインディ500初出走初制覇を果たしている若手ロッシが勢いづいてくれば、タイトルレースにおける面白い存在になる。

今回の決勝2位はロバート・ウィッケンズ(#6 Schmidt Peterson Motorsports/ホンダ)で、ホンダ勢が1-2フィニッシュ。3~4位はペンスキー(Team Penske/エンジンはシボレー)のウィル・パワー(#12)、ジョセフ・ニューガーデン(#1)だった。

佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)は予選8位、決勝でも1周目に2ポジションアップを果たすが、2周目に他車からヒットされてスピン、大きく後退することになってしまう。これで琢磨のレースは実質的に終戦したといってよく、最後まで走り抜くも1周遅れの17位だった(琢磨にヒットしたマシンにはペナルティが出ている)。

#30 佐藤琢磨のコメント
「コンペティティブな走りを続けてゴールできなかったことがとても残念です。スタートは非常に良く、2台をオーバーテイクして6番手に浮上できました。すべて順調でした。2ラップ目のターン4、プッシュ・トゥ・パス(INDYのオーバーテイクシステム)を使ってアタックしてきたマシンが見えたので、左側に1台分のスペースを空けてコーナーに入りました。すべてがうまくいっていると思っていましたが、ターン4の出口でマシン後部にぶつかられてスピンです。そして、その後に挽回することは今日はできませんでした」

「残念ながら、レース中盤のスティントが良くなく、追い上げは困難でしたね。21番手まで落ちたポジションから、レース終盤にようやく何台かをオーバーテイクできましたが、非常に残念な結果となりました。今日は大きな期待を抱いていたのですが、期待通りのレースとはなりませんでした」

今回は外的要因で見せ場のないレースに終始することになってしまった琢磨だが、シーズン中盤から乗っている上昇気流自体は生きているはず。自身とチームのいい流れを失わずに、この先の戦いに向かってもらいたい。

今季のインディカー・シリーズも残すところ4戦。このあとは珍しく中2週の実戦間隔があり、短い夏休みということにもなるが、その先には5週で4戦(3連戦+最終戦)を消化する怒涛のクライマックスが待つ。その幕開けとなる第14戦は8月19日決勝、舞台はペンシルベニア州にある三角オーバルコースの「ポコノ・レースウェイ」だ。

《遠藤俊幸》

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