VWが考える「自動運転およびコネクテッドカーの課題」 開発者トークセッションを開催

車両側での状況理解が進んでいない

自動運転での事故発生時、何を優先するか

空き時間を有効活用できればコストアップを容認?

都内のホテルで開催されたVWの自動運転開発部門のリサーチャーであるDr.フォルムによるトークセッション
都内のホテルで開催されたVWの自動運転開発部門のリサーチャーであるDr.フォルムによるトークセッション全 8 枚

フォルクスワーゲン・ジャパンは、11月14日、同社の自動運転開発でリサーチを主に行っているトーマス・フォルム博士によるトークセッションを都内で開催。トークセッションには自動運転の分野で第一人者でもある自動車評論家の清水和夫氏も参加した。

【画像全8枚】

車両側での状況理解が進んでいない

現在、日本政府は「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一環として「自動走行システム(SIP-adus)/大規模実証実験」を進めており、11月13~15日には「第5回SIP-adus Workshop2018」を東京国際交流館で開催した。フォルム博士は、これに参画しているフォルクスワーゲン・ジャパンの代表としてこれに出席するために来日した。

今回のトークセッションは、フォルクスワーゲン・グループの自動運転に対する考え方を示すために報道関係者向けに準備された。そこで語られたのは、「自動運転およびコネクテッドカーの課題」についてだ。トーマス・フォルム博士トーマス・フォルム博士

フォルム博士は「自動運転の実現にはセンシングとしてカメラやレーダー、ライダーの搭載が必要だが、この搭載をしても、たとえば前方のクルマの扉が開いているかどうかまでは分からない。さらに人の行動を理解できないし、動物の種類にしても判断はできない」という状況を説明した。つまり、現状では自動運転を行うには、あまりに車両側での状況理解が進んでいないというわけだ。

これに最も有効なのが人工知能(AI)であるが、「そこには外部からのハッキングという問題がある。航空機ではコンピュータを複数搭載して、それぞれが違う判断をした場合は多数決で判断を下すシステムが導入されているが、クルマの場合はコストの面もあってそれは難しい」という。また、判断の冗長性をどう持たせるかも大きな課題で、「クルマではこの対応いかんで状況を却って複雑にしてしまう可能性もある」とも話す。

自動運転での事故発生時、何を優先するか

たとえば、よく採り上げられる例として「事故が避けられない状況下で、犠牲をどう判断するか」がある。これについてフォルム博士は「国によってプライオリティに対する考え方が違っていることも大きな課題」とも話す。確かに、自動運転を導入するにあたって、国ごとに対応するのはかなり困難なことだろう。しかし、「ユーザーは、自動運転はすべての道路で実現されるものと理解されていることがほとんど」(フォルム博士)なのだ。自動車評論家・清水和夫氏も登壇自動車評論家・清水和夫氏も登壇

フォルム博士によるセッションを終えた後、清水氏がセッションに加わり、この日行われていた「第5回SIP-adus Workshop2018」について簡単に報告された。それによると、「SIPは静的な整備を行うことを中心とした第1期から、動的な整備を行う第2期へと進むことが決定。ただ、オリンピック・パラリンピックが開催される2020年を一区切りとしているが、その後はどう展開されるかはまったく分からない状況にある」(清水氏)のだという。

空き時間を有効活用できればコストアップを容認?

出席した報道陣から「自動運転のレベル3についてVWはどう位置付けているのか」との質問に対してフォルム博士は、「VWとしては数年のうちに実現する。(ユーザーはコストアップを嫌うが)長時間ドライブで空き時間を有効活用できるとなれば、お金を払ってもいいと思うのではないか」とした。

一方で清水氏は「レベル4~5の定義は定まっていないのが現状。レベル4に一足飛びに行く提案もあるが、渋滞時などの低速走行でレベル3を実現することでドライバーの負担を解放することから始めるのが賢明ではないか」と語った。

《会田肇》

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. マツダの新型「FRスポーツ」開発始動! 特許公開、次期ロードスターかアイコニックSPか?
  2. トヨタ『ルーミー』が10年ぶりの刷新…次期型はハイブリッド化か?
  3. トヨタ『プロボックス』ついに全面刷新か? 見えてきた次期型の進化
  4. 「実物大ユニコーンガンダム立像」がついに展示終了…フィナーレを彩る記念商品が登場
  5. キッザニア監修「Out of KidZania in かりや」、愛知県刈谷市で10月18日開催…パズルカー製作など26種の仕事体験
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 自動運転開発の分野で高まるNVIDIAとAWSの存在感、日本メーカーは中国のスピード感に対抗できるのか【AWS オートモーティブ AI イノベーション フォーラム】
  2. 居眠り・脇見を監視、「DMS」を義務化…乗用車は2031年から、バス・トラックではすでに普及
  3. ホンダの交換式電池、建設現場で実証…高さ385mの「トーチタワー」
  4. 電動車は誰が最後まで面倒を見るのか…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光 氏[インタビュー]
  5. 機械式駐車場の最適化コンサル、マンション管理組合向けに新サービス開始…さくら事務所
ランキングをもっと見る