【ホンダ CR-V 新型試乗】かつては多くの人の手が届きやすいSUVだったが…諸星陽一

ホンダ CR-V ハイブリッド EXマスターピース4WD
ホンダ CR-V ハイブリッド EXマスターピース4WD全 8 枚

ホンダを代表するSUVである『CR-V』は現行モデルが5代目となる。一時期ラインアップから消えていたが、2018年に復活している。現行となる5代目CR-Vのメカニズム的な最大トピックスはなんと言ってもハイブリッドシステムの採用だ。初代CR-Vが登場した1995年からじつに20年以上を経て、ついにハイブリッドシステムが導入された。

ハイブリッドシステムを得て走りに磨きをかけた

2リットルのガソリンエンジンにモーターを組み合わせたもので、エンジンの出力は145馬力/175Nm、モーターの出力は184馬力/315Nm。ハイブリッドやEV系の4WDの場合、リヤの駆動はモーターのみといった方式が取られることも多いが、CR-Vは従来同様にクラッチを使って機械的に動力をリヤに伝達している。

ハイブリッドの走りはなかなか力強くて気持ちいい。初代CR-Vが150馬力の2リットルピュアエンジンだったことを考えれば、重量が増えているとはいえ、そこに180馬力のモーターを組み合わせようなものなのだから、走りがいいのは当たり前だ。

発進時はモーターとエンジンの組み合わせによって、湧き出るような高トルクを使ってグッと前に押し出されるような加速感を味わえる。4WDということもあり、トルクが無駄なく路面に伝わる感覚がある。その先の加速の伸びのよさもホンダらしいフィーリングを持っている。

ドライブそのものを楽しめるような味付け

リヤサスペンションをマルチリンクとしたことでユーティリティ性を稼いでいるが、同時にリヤのスタビティもアップ。コーナリング時の安定性も向上している。コーナーへの進入時のクルマの向きの変わり方もキッチリしていて、そこから安定感のあるコーナリングをするのでじつに気持ちのいい走りが可能だ。試乗コースにはワインディングロードも含まれていたが、ドライブそのものを楽しめるような味付けとなっていた。

車重がある程度あるため乗り心地もいい。ハイブリッドモデルは2列シートでラゲッジルームも広く、SUVとしてのパッケージングも合格である。

ただ価格は約436万円とかなり高価な設定。なにしろ初代CR-Vは200万円を切る価格設定だったのだ。20年以上前のこととはいえ、平均では実収入も可処分所得も1995年のほうが高い。かつては多くの人の手が届きやすいSUVだったCR-Vだが、今はずいぶん高いところにいってしまったのかもしれない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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