プロパイロット車20万台販売「すごい財産」…日産の自動運転“その先”は[オートモーティブワールド2019] | レスポンス(Response.jp)

プロパイロット車20万台販売「すごい財産」…日産の自動運転“その先”は[オートモーティブワールド2019]

日産自動車 電子技術・システム技術開発本部 吉澤隆理事
日産自動車 電子技術・システム技術開発本部 吉澤隆理事全 7 枚写真をすべて見る

日産自動車の高速道路同一車線自動運転技術「プロパイロット」の搭載車両が2018年11月末に20万台を超えた。日産の電子技術・システム技術開発本部の吉澤隆理事は「これはすごい財産」とする一方で「まだまだ改善の余地がある」と語る。

世に出してはじめてわかってきたこと

プロパイロットは2016年8月に全面改良したミニバン『セレナ』から搭載を始め、以降、SUV『エクストレイル』、電気自動車『リーフ』などにも採用するとともに、販売地域も順次拡大。2022年までにプロパイロットを20車種に搭載し、20の市場に投入する計画だ。

吉澤理事は「プロパイロットは18年11月末までにグローバルで20万台に搭載されている。これはすごい財産だと思っている。普通の人が普通に使っている。それを日産は強みにしている。インテリジェントモビリティのアセットとして生かせる」と胸を張る。

というのも「プロパイロットを搭載したセレナの発売当初は『これは自動運転ではない』などいろいろ言われたが、やはりプロパイロットを出したことですごく色々なことがわかってきた」からだ。
日産 セレナe-POWER
「プロパイロットはいきなり出たというよりも、その前に自動ブレーキや踏み間違い防止技術、ブラインドスポットワーニングなど、ADAS(先進運転支援システム)といわれる各種技術が投入され、それらが積み重なった上に今のプロパイロットがある」と吉澤氏は明かす。

その上で「プロパイロット自体は、決して完成された自動運転技術ではないが、自動運転の技術を積み重ねていく途中の過程をお客様にお渡しして、逆にお客様からフィードバックを頂いて、それをまた次につなげていくような流れが出来上がっている。それはプロパイロットで日産が自負していることでもある」と強調する。

まだまだ改善の余地がある

ゆえに吉澤氏は「プロパイロットを改善していく余地が、まだまだいっぱいある」と話す。それは「もともと我々はある一定の枠の中でプロパイロットをお客様にお使い頂いていると考えている。例えば雪道や雨が降っている時、さらには夜間など、やはりカメラやレーダーで見えなかったりするケースがある。お客様からすると言い訳のように聞こえるかもしれないが、我々からすると確実に安全な領域の外はプロパイロットが使えない領域にしている」からだ。

改良すべき点について吉澤氏は「まず使える領域をできるだけ広げていく。つまりプロパイロットを使ってもらえるシーンをできるだけ広げていくというのが、一番大きな改善点になる。そのためにはカメラの解像度を上げていくとか、レーダーも性能的に距離を延ばすなど、センサーの技術を高めていく必要がある」と語る。

さらに「プロパイロットの運転挙動を、自分でドライブする時と違和感がないようにすることが、もうひとつの課題だ。実際、プロパイロットをお使い頂いているお客様から自分が運転している感覚とクルマが動く感覚の差に対する不満、改善要望が最も多い」とも。
プロパイロットの作動ボタン
ただ2つめの課題については「運転挙動をよりヒトのフィーリングに近づけることは、自動車メーカーの強みを発揮できる部分だと思っている」と吉澤氏は力を込める。それは「自動運転を巡って様々な業種が参入して技術競争しているが、クルマの基本性能である足腰の部分と、その上に載る制御の部分とを総合的にみられるのは、たぶん自動車メーカーだけ。本当の意味で自動車メーカーにしかわからない領域ともいえる」からだ。

「例えば前にいるクルマがブレーキをかけた時にどのくらいの距離間でブレーキをかけるかとか、どれくらいのGでかけていくのかというのは、我々の得意分野。なぜなら日産が抱えるプロドライバー全員の運転挙動を大量に集めて、その特性をデータとして持っている」と吉澤氏は明かす。

既存のプロパイロットの開発にも、こうしたデータが生かされているものの、「我々としては良かれと思って車線の真ん中をキープするようにしたり、良かれと思ってブレーキのGを強めにしたりしていたものが、お客様に違和感を抱かせている。そうした部分は修正していく。それは、お客様が期待するクルマの振る舞いは何なのか、お客様が本当に安心できる挙動とは何かを突き詰めていく作業になる」という。

プロパイロット、その先に

日産自動車 電子技術・システム技術開発本部 吉澤隆理事
今後のロードマップについて吉澤氏は「プロパイロットが今、日産自動車にとってみると非常に大事なファンクションで、これをいろんなクルマに広げていくのがひとつと、機能的には高精度地図を使うことでより一歩先に進む。今、プロパイロットはシングルレーン、つまり自分の走行車線だけだが、高精度な地図ができることによって複数車線を自動的に追い越していく機能を実現したい」と話す。

「ナビゲーションの地図をリンクさせて、例えば東名高速道の厚木インターから圏央道、東北自動車道を経由して、栃木工場の最寄りの北関東自動車道宇都宮上三川インターまで、ジャンクションを通りながらいけるのが次のステップ。あくまでもドライバー責任だが、自動運転できるシーンを増やしていく方向」と解説。

さらに「センサーやカメラの技術を高めていってこれまで見えていなかったものが見えるようになる枠を広げる。その先にアイズオフといわれる部分的にクルマに責任を渡していくレベル3、レベル4につなげていく。まだまだレベル2を突き詰めていけば、やらなければいけないことはいっぱいあるし、お客様に対して提供できる価値はまだまだあると思う」と吉澤氏は語る。

「オートモーティブワールド」で講演

その吉澤氏は、1月16日から東京ビッグサイトで開催される「第11回オートモーティブワールド」の2日目(1月17日)の専門セッション『自動運転社会の実現に向けた今後の課題と展望』に登壇し、「進化する自動運転技術への日産自動車の取り組みと改題」をテーマに語る。

専門セッションに向けて吉澤氏は「最終的には完全自動運転があるが、どちらかというと私のテーマは本当に今、現実的に我々がお客様に提供しうる技術が、どういうところにあって、そこから先はこういうことをやっていかなければいけないということを少し示したい」と話す。

■本講演の詳細は
https://reed-speaker.jp/Conference/201901/tokyo/top/?id=AUTO&lang=jp#AUTO-1

■第11回オートモーティブワールド
自動運転、クルマの電子化・電動化、コネクティッド・カー、軽量化など、自動車業界における重要なテーマの最新技術が1120社出展する世界最大の自動車技術展。「国際カーエレクトロニクス技術展」「EV・HEV駆動システム技術展」「クルマの軽量化技術展」「コネクティッド・カーEXPO」「自動車部品・加工EXPO」「自動運転EXPO」の6つの展示会を開催する。また業界の第一人者たちが講演するオートモーティブワールドセミナーも注目を集めている。

■展示会のご入場には招待券が必要です。招待券請求(無料)受付中!
※招待券の事前登録により、入場料(5,000円)が無料になります。
https://www.automotiveworld.jp/inv/

会期:2019年1月16日(水)~18日(金)10:00~18:00 (最終日のみ17:00まで)
会場:東京ビッグサイト
主催:リード エグジビション ジャパン株式会社
■第11回オートモーティブワールド 詳細はコチラ!

Sponsored by リード エグジビション ジャパン

《小松哲也》

この記事の写真

/

ピックアップ