日本での本格的なモータースポーツ幕開け、日本アルペンラリー

『日本アルペンラリーの足跡』
『日本アルペンラリーの足跡』全 1 枚

『日本アルペンラリーの足跡』
副題:全18戦とその後の展開
著者:澁谷 道尚
発行:三樹書房
定価:本体価格3000円(消費税除き)
ISBN978-4-89522-709-4

1959年7月10日、第1回日本アルペンラリーが行われた。鈴鹿サーキットに於いて開催された第1回日本グランプリがからさかのぼること4年。日本における本格的なモータースポーツの幕開けともいえるこの第1回日本アルペンラリーについてまとめた1冊が刊行された。

本書の著者である澁谷道尚氏は1959年にJMC(日本モータリストクラブ)発足当時からラリー運営の裏方を務めた人物で、日本アルペンラリーは最初に携わっていた。それ以前にもいくつかのラリーは開催されていたものの、その後シリーズ戦として発展していったのはこの日本アルペンラリーが最初だった。そういったこともあり日本では初めての本格的なモータースポーツイベントだったと著者は本書の中で述べている。

日本アルプスを走るラリーとして開催されたものの、そのコースはまさに“極悪非道”で、「(試走時には)ズボンのお尻がシートに擦れて破れてしまった」ほどだったという。4日間で2200kmもの距離を走破する過酷なラリーではあったが、その後著名となったラリードライバーやジャーナリストなど多数が参加していた。

本書では18回にも及ぶ日本アルペンラリーの軌跡に触れるとともに、参加した多くの方々のコメントやエピソード、参加車両についても触れられており、当時の雰囲気を知るにふさわしい内容となっている。

また資料として第1回から最後に開催された第18回までの概要がまとめられていることもこのイベントを深く関心を持つ向きには興味深いだろう。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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