【アルファ ステルヴィオ クワドリフォリオ 新型試乗】SUVの形をしたスーパーカーだ…中村孝仁

「ニュル最速」の称号が必要だった

立ち上がりの強烈さは、20インチタイヤに理由がある

SUVの形をしたスーパーカー

アルファロメオ ステルヴィオ クワドリフォリオ
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「ニュル最速」の称号が必要だった

『ステルヴィオ』が日本に導入されたのは昨年の7月。結構度肝を抜くアナウンスがあった。

曰く、ニュルブルクリンクに持ち込んで当時の量産SUV最速となるラップタイムを記録したと…。そもそもこんなSUVを何でニュルに持ち込んで最速ラップを記録しなくちゃあかんのよ?と言う気持ちがないわけではないが、個人的に要約するとこうだ。

つまり、アルファにとってはこれが初のSUV。でも周囲を見渡せばドイツ御三家に始まってポルシェやボルボはいるわレンジローバーもいる。日本にもレクサスがいるし…となると、当然売り文句が必要になって、それじゃ手っ取り早く最速タイム出しちゃおっ…ってことになったわけだ。とは言うものの、そう簡単になせる業ではない。しかも立ちはだかっていたのはポルシェ『カイエン』だったらしいから、なおのこと大変である。


しかし500psを超えるパワーの持ち主で、カイエンよりは一回りコンパクトなボディを持ってすれば不可能も可能になる。しかも心臓部のV6ユニットは、フェラーリがアルファロメオのために開発したというヨダレもののエンジン。そういえばアルファはF1にもカムバックしていて、今年3月のジュネーブショーではこのクワドリフォリオシリーズのレーシングエディションなる、かなりド派手なカラーリングを施した限定車まで出している。というわけでアルファロメオは今、スポーツに目覚めているというわけである。

立ち上がりの強烈さは、20インチタイヤに理由がある


ノーマルアルファと比べて外観はそれほど大きくは変わっていない。ボンネットに開いたルーバーや、少しディフューザー風を装ったリアのバンパー。それにホイールあたりが識別点。一方のインテリアでは、カーボンのパネルとアルカンターラを使用したスポーツシートが目を引く。

そもそもたった(このクルマからすればたった…である)280psのノーマルステルヴィオですら、ゾクゾクするような加速感覚が味わえたのだ。しかもジュリア同様ステアリングゲインの立ち上がりが強烈で、シャープなステアリング操作ではまるでクルマが横移動するような挙動すら見せる。そんなわけだったから、倍とは言わないまでも8割以上パワフルになったエンジン性能がどんなパフォーマンスを引き出すか、ある意味底知れぬ恐ろしさも感じていた。ところがである。普通に街中を流すにはどうってことはない。そうか!踏まなきゃいいんだ!これ当たり前。

タイヤはフロント255/45R20、リア285/40R20のピレリPゼロだ。実は初めて乗ったステルヴィオも同じサイズのミシュラン・ラティチュードスポーツを履いていた(ただし前後一緒)。今、カタログを見るとノーマルのステルヴィオに20インチの設定はない。つまりステアリングゲインの立ち上がりの強烈さは、この20インチタイヤに理由があったと思われる。では、クワドリフォリオはどうか。やはりそのゲインの高さは最初に乗ったステルヴィオ同様相当なもので、高速などではよそ見の出来ない類のステアリング特性を持つ。

SUVの形をしたスーパーカー


普通と表現した街中での走りは、あくまでも精々2000rpm以下で流すような状況での話。これが右足に力を籠めればある領域から突如として変わる。勿論アルファの走行モード切り替えDNAをノーマルにした状況でだ。

これをまずはスポーツにしてみるとステアリングが若干手応えが増し、ダンパーもハードになる。クワドリフォリオの場合、『ジュリア』同様レースモードがあって、これに入れるとESCやトラクションことロールが解除され、さらにパフォーマンスも最大化されるという。エクゾーストノートは明らかに獰猛になり、結構な猛々しい音を奏でる。

まあ、街中ではやっちゃいけないレベルの走りに変わるし、ESCやTCが解除されちゃうとまあ、トーシローが扱うレベルのクルマじゃなくなる。でも、怖いもの見たさでやってはみたが、その奥深いパフォーマンスを知るのはとてもじゃないが街中のスピード域では無理である。

パワーが8割り増しならお値段の方もほぼ7割増し。だから、単純にパワーとの比較で行けばお買い得となる。SUVの形をしたスーパーカーだと思えばわかり易いか。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来42年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める

《中村 孝仁》

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