ミニとその設計者、アレック・イシゴニスを知るに適切な一冊が刊行

Miniとアレック・イシゴニス
Miniとアレック・イシゴニス全 4 枚

『ミニの誕生から終焉』
名設計者アレック・イシゴニスを中心として
著者:ジリアン・バーズリー
編集・翻訳:小島薫
発行:三樹書房
定価:本体価格2800円(消費税除き)
ISBN978-4-89522-720-9

『ミニ』(Mini)誕生60周年を記念して英国の自動車史考証家が、ミニの設計者アレック・イシゴニスの生涯に焦点を当てながら、ミニ誕生の経緯とその後の展開を描き出した本が出版された。

1958年8月、ミニがデビューした。いまに続くMINIの歴史がスタートしたのだ。その設計者の名はアレック・イシゴニスといい、1906年11月18日にトルコで生まれた。アレックの父親もエンジニアで、同じように優秀なエンジニアになりたいと思っていたのだから、名設計者になったのは当然のことだったのかもしれない。

本書はこのようにアレック・イシゴニスが生まれた環境からその父母のこと、そして、トルコからイギリスに移った経緯などが当時の時代背景とともに述べられている。また、ミニ開発に至るまでの経緯、開発の際のエピソードなどが当時の資料をはじめ、アレックが遺した手描きのスケッチなどをもとに語られているのは非常に興味深い。

ミニそのものに関しても1958年8月に開催された発表会の様子をはじめ、その後の販売状況、クーパーに関してなど、これまであまり語られることのなかった内容を読むことが出来る。更にプロトタイプやミニの後継車に関してアレックが考えていたこと、そして、アレックが定年後どのように活動していたかも語られており、本書ほどミニとアレック・イシゴニスについて詳しく知ることが出来る書籍は類を見ないであろう。

『ミニの誕生から終焉』『ミニの誕生から終焉』著者ジリアン・バーズリー氏は、英国自動車業界の歴史遺産を保存・管理するブリティッシュ・モーター・インダストリー・ヘリテッジ・トラスト(BMIHT)に長年在籍してきた自動車考証家であり、本書は、バーズリー氏のこれまでの考証内容を、編著者の小島薫氏が日本の読者により分かりやすく理解できるように再構成・追記を施して翻訳したものである。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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