【懐かしのカーカタログ】限定車だけで97種類!日本で愛され続けるフィアット『500』

フィアット 500 のカタログ
フィアット 500 のカタログ全 8 枚

2008年3月の導入開始以来、2020年3月で日本での累計登録台数が5万台になるというフィアット『500』。この数字は日本におけるラテン系乗用車では初とのことで、年間販売台数も10年連続で4000台を超えていた。

【画像全8枚】

折しも新型がフィアット(FCA)初の量産EVとしてワールドプレミアを果たした。42kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、WLTPサイクルで320kmの航続距離を実現したといい、85kWの急速充電システムの搭載で、5分で50km走行分の電力の充電も可能など、まだ欧州仕様の内容ながら気になるところではある。

もちろん、全長と全幅が+60mm、ホイールベース+20mm、けれど全長は依然4m未満という新しいボディのスタイリング、居住性アップにも期待が膨らむ。が、今回は新型についてはこれからの楽しみにしておき、チャーミングなキャラクターで人気を集めた、まだ“現行モデル”の『500』のカタログを振り返ってみることにしたい。

手の込んだつくりのカタログ

フィアット 500 のカタログフィアット 500 のカタログ
“チンク”の愛称でも親しまれているイタリアの小型車フィアット『500』。現行モデルが誕生したのは2007年で、日本市場には2008年3月にお目見えした。写真は当時プレス向けに配布された最初のカタログで、中身は英字のUK仕様というもの。縦185mm×横205mmのコンパクトなサイズのリングノート式で、いかにもテーブルの上に置いて1ページずつ開いてゆっくりと眺めながらお楽しみください……そんなメッセージが伝わるものだった。

もちろん中身は、なかなか手の込んだ造りだった。たとえばボディカラーは、2分の1の正面視の絵柄が重ねられており、1枚ずつめくっていくとそれぞれのボディカラーが見ることができる仕掛けになっていた。

フィアット 500 のカタログフィアット 500 のカタログ
また別のページはオプション設定のステッカーキットの紹介だが、チェック柄のルーフデカール、ストライプなどがセルロイドに印刷されていて、それを『500』の写真の上に重ねると装着状態がわかるようになっていた。

この“方式”は別のページにも採用されており、赤い『500』の上に“Nuova 500”が重なっていたり(これは実はオプション設定の室内保管用ボディカバーの紹介で、消費税8%当時で税込み7万3440円となかなか高価だった)、インパネの写真では、ベージュとブラックのイメージの違いが確認できるようになっていた。ビジュアルだけでなく文面も、

You are.
ボクはいま、車を探しているんだ。ボクにとっての、はじめての相棒をね。

We car.
500 がいるよ。もちろん、準備はいつでもOK!

……といったカジュアルな対話形式で全編、通している。

フィアット 500 のカタログフィアット 500 のカタログ

97種類もの限定車が投入された

フィアット 500 のカタログフィアット 500 のカタログ
ほかに『500』というと、当初から用意された“着せ替え式”のキーカバーが見逃せない。カタログにも当初から掲載されていた。またその後も仕様、カラーなどさまざまな種類が追加された。ただし2分割のカバーの内側にある“ツメ”はいささか華奢で、交換時または経年変化でそのツメはほぼ必ず折れてしまうのだった(何を隠そう筆者は『500』のオーナーのひとりだが、そのツメを折ってしまい何度同じキーカバーを買い直したことか! 3個目でもう諦めることにしたが……)。

フィアット 500 のカタログフィアット 500 のカタログ
それと『500』というと、おびただしい数の“限定車”の投入も見逃せない。その数は現行モデル導入当初の“ラウンジSS(200台)”から数えて、日本仕様だけでも実に97種類(2020年3月上旬現在)とハンパない。標準車には設定のないカラフルなボディカラーや『500C』のソフトトップ色、MT車(ツインエア導入後も)、レザーシート内装など、限定車でしか手に入らないところが何といっても魅力である。

写真でお見せしているのは、そうした限定車の日本仕様(ほとんどが1枚モノ)と、たまたま入手でき手元にある本国仕様の丁寧な出来栄えのカタログの一部だ。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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