【F1】王者メルセデス、黒が基調の新カラーリングを公開…差別の打破とさらなる多様性実現への決意表明

新たなカラーリングを纏った2020年型メルセデス「W11」(#44 L.ハミルトン)。
新たなカラーリングを纏った2020年型メルセデス「W11」(#44 L.ハミルトン)。全 5 枚

F1に参戦するメルセデスは29日、今季型マシンの新たなカラーリングを公開した。あらゆる差別問題の打破とさらなる多様性の実現に向けての決意表明として、黒を基調とした新カラーリングで2020年シーズンを戦う。

7年連続のドライバーズチャンピオン輩出&コンストラクターズチャンピオン獲得を目指し、7月に開幕する今季のF1に臨む王者メルセデス(メルセデス-AMG ペトロナス F1チーム)。これまでは陣営の“伝説的覇業”にちなむ「シルバーアロー」の出で立ちで戦ってきたが、昨今の人種差別問題等に関する世界的な動きに際し、チームとしての“決意”を表明するために今季型「W11」を黒基調のカラーリングへと一新した。コクピット防護デバイスの「HALO」には「END RACISM」(人種差別を終わらせよう)の文字も掲出される。

メルセデスの決意(声明)は、人種差別を含むあらゆる差別問題に抗し、さらなる多様性の実現を自陣から実現していくことである。自分たちのチームの文化と価値を誇りつつも、少数民族とされる人々の起用や女性の登用等に関しては自分たちにもまだ向上の余地があると示した上で、「我々がこれまで以上に広い社会から才能を引きつけることができれば、我々はさらに強くなれる」との旨を強調している。

ここ最近の人種差別問題等の情勢については、メルセデスのドライバーであるルイス・ハミルトン(08、14~15、17~19年F1チャンピオン)も差別反対の積極的な発言を展開するなどしていた。自身や家族、友人が差別を経験してきたというハミルトンは、チームがこの問題に関して自分との対話の機会をもち、その情熱を理解してくれたこと、そして今回の“行動”に出てくれたことに感謝しつつ、「自分たちの活動を通じてさらなる多様性を実現していくことが強いメッセージになる」とコメントしている。

新たなカラーリングを纏った2020年型メルセデス「W11」(#77 V.ボッタス)。新たなカラーリングを纏った2020年型メルセデス「W11」(#77 V.ボッタス)。

ハミルトンのチームメイト、バルテリ・ボッタス(昨季シリーズ2位)も「我々のスポーツ、そして我々の社会に差別の居場所などない。チームとルイス(ハミルトン)、メルセデスベンツとともにこの重要な声明を発することを誇りに思う」と話している。

2020年のF1世界選手権は今週末、7月3~5日のオーストリアGP(レッドブルリンク)でついに開幕を迎える。翌週に同地でのシュタイアーマルクGPがあり、翌々週にはハンガリーGP(ハンガロリンク)が続くという3連戦のスケジュールからシーズンが動き出す予定。

メルセデスW11のHALOには「END RACISM」の文字。メルセデスW11のHALOには「END RACISM」の文字。

《遠藤俊幸》

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