自動運転バスにおける保安要員を撤廃…茨城県境町のボードリー

茨城県境町では「NAVYA ARMA」を使って定常運行中
茨城県境町では「NAVYA ARMA」を使って定常運行中全 5 枚

ソフトバンクの子会社で、自動運転サービスを手掛けるBOLDLY(ボードリー)は4月27日、同社が運行業務を担う茨城県の境町での自動運転バスにおいて、運転手を補助する保安要員の配置を 2021年4月から撤廃したことを発表した。

境町の自動運転バスに使用している車両、NAVYA『ARMA』(ナビヤ・アルマ)は、国土交通省から道路運送車両の保安基準第55条による基準緩和認定を受けて、公道での走行が許可されている。ただ、その許可の条件として、安全対策の一環として運転手1名に加えて保安要員1名を配置することが求められていた。

しかし、保安要員の配置は当然ながら運行に際してのコストアップの要因につながる。境町では自動運転バスを運行するにあたり、5年間で5億2000万円もの予算を組んでいるが、BOLDLYによればその多くは人件費が占めているとする。

そこでBOLDLYは自動運転バスを普及させるためには保安要員との撤廃は欠かせないと判断。国土交通省など関係省庁との意見交換の中で、保安要員の撤廃に向けた訴えを続けて来たという。

そうした中で国交省は境町での運行実績などから、保安要員なしであってもNAVYA ARMAの安全な運行が可能であることを確認。BOLDLYの認定更新に合わせて保安要員の撤廃で合意するに至ったわけだ。これにより、自動運転バスの運行コストは大幅に下がり、普及に弾みが付く可能性が出てきた。

これと合わせBOLDLY は、この他にも自動運転車両を活用した取り組みを国内で加速させることを目的に、以下の3つの規制緩和が実現したと発表した。

歩行者用道路の走行……歩行者に十分な周知と道路使用許可を取得することで、歩行者用道路で低速の自動運転車両を走行させることが可能になった。歩行者と共存する新たな交通手段としての活用が期待できる。

既存のバス停の活用……既存のバス停に路線バス以外の車両が停止することは路交通法第44条第1項の規定で禁止されていたが、路線バスなどの利用者の安定的な輸送の確保に資すると認められる場合には、自動運転バスが既存のバス停を活用できるようになった。境町の自動運転バス運行では既に対応済み。

道路使用許可の取得プロセスの合理化……手動運転時に通常の車両と異なるハンドルやブレーキ装置で操作するNAVYA ARMAなど、特別装置を備えた自動車が公道走行するのに必要な道路使用許可を取得するプロセスの合理化。

《会田肇》

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