デビュー40周年、今も光る「いすゞ・ピアッツァ」のスタイリング【懐かしのカーカタログ】

いすゞ・ピアッツァ
いすゞ・ピアッツァ全 13 枚

1981年の初代『ピアッツァ』デビュー40周年を記念し、目下いすゞプラザ(神奈川県藤沢市)では、貴重なプロトタイプの“アッソ・ディフィオーリ”を展示中だ。そこで今回は改めて“市販モデル”を振り返ってみたい。

初期型

『117クーペ』の後継モデルとして、同じG・ジウジアーロによりデザインされた『ピアッツァ』が登場したのは1981年のこと。“クォーターカバード・ヘッドランプ”やフラッシュサーフェスの行き届いたデザイン、1本ワイパーなどアッソ・ディ・フィオーリのイメージがほぼそのまま保たれたスタイルは、当時の内外の市販車の中でも群を抜いて先進的だった。

インテリアも然りで、デジタルメーター(アナログ式もあった)に左右のサテライトスイッチパネルを組み合わせたユニークなもの。ウインカーは薄いチョコレートのようなスイッチを指で挟んで上下に動かす仕組み。ボタンのスイッチは押すとクゥン!と感触があるフェザータッチ式。

ドアミラー化、ターボなど

83年には法改正を受け、待望のドアミラー化が実現。この時を待っていたユーザー(筆者もその1人だった)は多かった。さらに84年にはセダンの『アスカ』にも搭載されていた4CZ1型2リットルターボを設定。このターボのパワステは操舵力が3段階に切り替え可能。新形状のフロントシート、専用前後スポイラーなども採用。さらに85年には“アッソ”由来だったリヤガーニッシュを廃止、ピューターメタリックの新色などが追加された。

イルムシャー/ハンドリング・バイ・ロータス

85年、西ドイツ(当時)のチューナーと共同開発された“イルムシャー”が登場。専用サスペンション、レカロシート、モモ社製4本スポークステアリングなどを装備。3色のボディ色とホイールカバー、ストライプなど11種類のカラーセレクションが選べた。

もう1台の“ハンドリング by ロータス”は'88年の登場。英国アームストロング社製ド・カルボン型ショックアブソーバーや専用5リンク式リヤサスペンション、BBSホイールなどを採用。しなやかで安定した走りを実現。カタログのどこにも触れられていなかったが、メーターはアナログ式だった。

ピアッツァ・ネロ

当時のいすゞとヤナセの“GM繋がり”により設定されたのが、ヤナセ専売モデルだった『ピアッツァ・ネロ』。車名のとおり“エボニーブラック”のボディ色を専用に設定。'84年からはヘッドランプが角4灯とし、差別化が図られた。

また最終モデル('88年)では北米仕様の『インパルス』ど同じバルジ付きフードを採用。セミリトラクタブルが廃止され、小振りのヘッドランプが収められていた。 

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. マツダ『CX-5』新型を欧州で発表…日本では2026年中に発売
  2. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  3. VWの高性能小型EV『ID.3 GTX』、2代目ゴルフに着想の「FIRE+ICE」限定発売へ
  4. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
  5. ダイハツの新型『ムーヴ』が絶好調!「スライドドア化は正解」「やるじゃんダイハツ」と評価の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  3. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る