静岡市の新静岡駅(葵区)と新清水駅(清水区)を結ぶ静岡清水線を運営する静岡鉄道は6月11日、長沼車庫(葵区)にある1929年製の無蓋貨車を群馬県中之条町へ譲渡すると発表した。
この貨車は、かつて砕石運搬用として運用されていた「ト1形ト1号」で、登場時は「トコ20号」と呼ばれ同型車が3両在籍していたが、ト3号(旧トコ22号)は1956年に廃車。残る2両(ト1・2号)も1990年代に入って現在の東急電鉄から保線用車が導入されたことにより運用されなくなっていた。
今回の譲渡は、中之条町が1971年5月に廃止された国鉄長野原線(現・吾妻線)支線、いわゆる「太子(おおし)線」の旧太子駅で整備を進めている「日本一の無蓋車公園」へ協力するためとしており、7月頃に長沼車庫から搬出される予定となっている。
なお、静岡鉄道では今回の譲渡を記念して7月10・11日に静岡県内在住者500人を対象に、長沼車庫でト1号と1000形電車の連結展示(各日9時30分~12時)を実施。静岡県内の小学4年生以上を対象にした1000形電車の運転体験(各日10時~、13時~、要事前申込)も合わせて行なう。