静岡の無蓋貨車が群馬へ…戦前生まれのト1号、「日本一の無蓋車公園」で保存

1000形電車(左)に連結されて展示されるト1号。自動連結器導入前に使われていたネジ式連結器の緩衝器(バッファー)が残っている(写真右手)。1000形は1973年に登場した静岡鉄道のステンレス車両だが、新鋭のA3000形投入により2016年から淘汰が始まり、現在は2両編成12本中、3本が残るのみ。
1000形電車(左)に連結されて展示されるト1号。自動連結器導入前に使われていたネジ式連結器の緩衝器(バッファー)が残っている(写真右手)。1000形は1973年に登場した静岡鉄道のステンレス車両だが、新鋭のA3000形投入により2016年から淘汰が始まり、現在は2両編成12本中、3本が残るのみ。全 3 枚

静岡市の新静岡駅(葵区)と新清水駅(清水区)を結ぶ静岡清水線を運営する静岡鉄道は6月11日、長沼車庫(葵区)にある1929年製の無蓋貨車を群馬県中之条町へ譲渡すると発表した。

この貨車は、かつて砕石運搬用として運用されていた「ト1形ト1号」で、登場時は「トコ20号」と呼ばれ同型車が3両在籍していたが、ト3号(旧トコ22号)は1956年に廃車。残る2両(ト1・2号)も1990年代に入って現在の東急電鉄から保線用車が導入されたことにより運用されなくなっていた。

今回の譲渡は、中之条町が1971年5月に廃止された国鉄長野原線(現・吾妻線)支線、いわゆる「太子(おおし)線」の旧太子駅で整備を進めている「日本一の無蓋車公園」へ協力するためとしており、7月頃に長沼車庫から搬出される予定となっている。

なお、静岡鉄道では今回の譲渡を記念して7月10・11日に静岡県内在住者500人を対象に、長沼車庫でト1号と1000形電車の連結展示(各日9時30分~12時)を実施。静岡県内の小学4年生以上を対象にした1000形電車の運転体験(各日10時~、13時~、要事前申込)も合わせて行なう。

「日本一の無蓋車公園」が整備される旧太子駅。同駅が終点だったいわゆる「太子線」は、長野原線(現・吾妻線)長野原(現・長野原草津口)駅から分岐していた同線支線のことで、日本鋼管群馬鉄山の専用線として戦時中の1945年に開業。1952年10月に国鉄に編入され、1954年6月から旅客営業を開始したが、1966年に群馬鉄山が閉山したため1970年11月に休止、翌年5月に廃止された。その後、駅舎などが「旧太子駅」として復元され、2018年4月から公開されている。「日本一の無蓋車公園」が整備される旧太子駅。同駅が終点だったいわゆる「太子線」は、長野原線(現・吾妻線)長野原(現・長野原草津口)駅から分岐していた同線支線のことで、日本鋼管群馬鉄山の専用線として戦時中の1945年に開業。1952年10月に国鉄に編入され、1954年6月から旅客営業を開始したが、1966年に群馬鉄山が閉山したため1970年11月に休止、翌年5月に廃止された。その後、駅舎などが「旧太子駅」として復元され、2018年4月から公開されている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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