【INDYCAR 第7&8戦】デトロイトでのダブル戦、エリクソン初優勝&オワード2勝目…琢磨は第7戦で4位に

デトロイトでのダブルヘッダー、第7戦はエリクソン(左)が、第8戦はオワード(右)がそれぞれ優勝した。
デトロイトでのダブルヘッダー、第7戦はエリクソン(左)が、第8戦はオワード(右)がそれぞれ優勝した。全 8 枚

NTTインディカー・シリーズの第7&8戦ダブルヘッダーがデトロイトで開催され、第7戦でM.エリクソンが、第8戦でP.オワードがそれぞれ優勝を飾った。佐藤琢磨は勝機もあった第7戦で4位となっている(第8戦は12位)。

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今季のインディカー・シリーズ第6戦だった「第105回インディ500」の終了から中1週を挟み、第7戦と第8戦のダブルヘッダー、「シボレー・デトロイトGP」が開催を迎えた。舞台は米ミシガン州デトロイトのベルアイル・パーク市街地コース。第7戦は現地12日に、第8戦は13日にいずれも予選&決勝が行なわれるスケジュールだ(11日にも走行あり)。

第7戦決勝(70周)は好天のもとで実施されたが、赤旗中断が2回という波乱の展開になった。レースの3分の1強を終えたところでの最初の赤旗原因、フェリックス・ローゼンクヴィスト(#7 Arrow McLaren SP/シボレー)のクラッシュはドライバーの状況が心配されるくらい激しいものだったが、ローゼンクヴィストの生命に別状はなかった(病院に搬送されるも、翌日には退院したと伝えられる)。

2回目の赤旗中断はレース最終盤で、これはアクシデント発生によるフルコースコーションのまま無競争状態で決着するのを避けるための“措置”と考えられるものだった。戦闘再開後の残り周回3周にて“有競争状態”での決着を、ということになる。ところがここで、トップだったウィル・パワー(#12 Team Penske/シボレー)のマシンが“フォーメーションラップ”に出られないという事態が生じてしまう(パワーは遅れて戦線復帰、最終順位20位)。

パワーの不運により、1列隊形からのローリング方式でリスタートに臨む先頭にはマーカス・エリクソン(#8 Chip Ganassi Racing/ホンダ)が位置し、2番手には佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)ということになった。エリクソンと琢磨は予選15、16位だったが、展開の利も得つつ、ここまで上がってきていた。

残り3周の超々スプリント決戦、エリクソンは首位を守ってフィニッシュし、嬉しいインディカー初優勝を成し遂げる。これで今季は7戦してウイナー7人、しかもエリクソンで4人目のインディカー新ウイナー誕生である。

エリクソンは「チーム力によってつかむことができた勝利だ」と語り、「(不運に見舞われた)パワーの悔しさは理解できる。しかし、今日は僕の日だったということだと思う。(自分も)今まで何度も不運に見舞われてきたけれど、今日は運が味方してくれた」と続けた。

30歳のスウェーデン籍ドライバー、マーカス・エリクソンは日本とも馴染み深い選手。全日本F3のタイトル獲得経験者であり、F1では2014年に当時のケータハムで小林可夢偉とチームメイトだった。2019年からインディカーを主戦場にしており、参戦3年目、嬉しい初優勝を達成している。

琢磨は今季初優勝のチャンスだったが、2番手からのリスタートに際し「最終コーナー立ち上がりでトラクションが得られず」に遅れをとってしまうなどしたため、2ポジションダウン、4位で第7戦を終えることとなった。今季初表彰台もならず。

ただ、琢磨は「結果は残念なものになりました」としつつも、「自分たちのスタート位置を考えれば、僕が4位、チームメイトたちが5、6位に続いたことは我々がレースでスピードを発揮できていたことの証明です。チームは明日の第8戦に向けて多くの有益なデータを集めることができました」と、ここまでの今季自己最高位となったレースをポジティブに振り返り、翌日の上昇を期した。

第7戦決勝の2位はリナス・ビーケイ(#21 Ed Carpenter Racing/シボレー)、3位はポール発進だったパトリシオ・オワード(#5 Arrow McLaren SP/シボレー)。表彰台の顔ぶれは勝者エリクソンを含め、3人ともインディカー初優勝を今季決めた者ばかりということに。

5~6位には琢磨(4位)の僚友であるグレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)とサンティノ・フェルッチ(#45 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)が続いている。

翌日、シリーズ第8戦のポールポジションを獲得したのはジョセフ・ニューガーデン(#2 Team Penske/シボレー)だった。彼は決勝でもローリングスタートから首位を守って走る。ただ、最後のスティントにレッドタイヤ(ソフトタイヤ)を履くタイヤ戦略を採っていたため、これが終盤にどう出るか、という懸念もあった。それでも過去2度のシリーズ王座獲得を誇るニューガーデンは、後続を抑えてトップを走り続けていった。

しかしドライ・コンディションでの70周レースの68周目、終盤のフルコースコーション明けからテンポ良く順位を上げて2番手まで上がってきていたオワードが、ニューガーデンをパスすることに成功する。スタートから67周もトップ周回を記録し続けてきたポール発進のニューガーデンは2位に敗れ、最後の3周を首位で終えたオワード(予選16位)が優勝することになったのであった。

今季生まれたインディカー新ウイナーのひとりであるオワードは、逆転で4戦ぶりの優勝、今季最初の2勝目達成者となった。ポイントランキングでも、第8戦で3位だったアレックス・パロウ(#10 Chip Ganassi Racing/ホンダ)を1点差でかわし、オワードはトップに立っている。

オワードは前日にクラッシュがあったローゼンクヴィストのチームメイト。「今朝、フェリックス(ローゼンクヴィスト)と話をした。なにより重要なのは、彼が『OK』な状態であること。そして僕は彼に『君のためにも勝ちにいくよ』と言ったんだ」。チームメイトに誓った勝利、見事な有言実行であった。

第8戦の決勝4位はコルトン・ハータ(#26 Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian/ホンダ)、5位は2日連続でレイホール。また、欠場したローゼンクヴィストの代走はオリバー・アスキュー(#7 Arrow McLaren SP/シボレー)が務めた(決勝リザルトは25位=不完走)。

なお、インディ500終了時点でパロウに抜かれてポイント首位から陥落していたスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)は、デトロイトで8位と7位。現段階ではポイントランキング3位、首位のオワードとは36点差となっている(オワード299、パロウ298、ディクソン263)。

琢磨の第8戦決勝は12位。「2レース目(第8戦)は厳しい戦いになりましたね。予選でのパフォーマンスがわるく、結果は19位。でも、決勝レースでは土曜日(決勝4位だった第7戦)と同じように力強く戦うことができました。しかし、マシンは充分なスピードを出せるもの(仕上がり)になっておらず、ポジションを上げていくことができませんでしたね」と語った。「残りのシーズンに向け、ギアをアップして戦っていきたいと思います」とも話す琢磨、まだまだ巻き返しの機会はたくさん残っている。

次戦第9戦はウィスコンシン州の常設コース「ロードアメリカ」での開催になる。現地6月20日決勝のスケジュールにて実施される予定だ。

《遠藤俊幸》

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