さようなら、ドレミファ「歌う電車」♪…京浜急行 新1000形初期車が更新、あの「磁励音」消える

1・2次車ではGTO素子を用いた新1000形。7月18日に運行されるイベント列車では、久里浜工場でインバータ音を楽しむ鑑賞会や車両撮影会などを実施。
1・2次車ではGTO素子を用いた新1000形。7月18日に運行されるイベント列車では、久里浜工場でインバータ音を楽しむ鑑賞会や車両撮影会などを実施。全 3 枚

京浜急行電鉄は6月25日、イベント列車「ありがとうドレミファインバータ♪」を7月18日に運行すると発表した。

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「ドレミファインバータ♪」とは、VVVFインバーター制御の車両が発車時や停車時に発する「磁励音」と呼ばれるものの一種で、音階のように聴こえることから呼ばれるようになった。

VVVFインバータ制御は、架線から取り込まれる直流または単相交流を、半導体を用いた「スイッチング素子」と呼ばれるものでオン・オフを繰り返して三相交流に変換する「インバータ」を介して、電圧や周波数を可変させながらモーターを制御するもの。

部品点数が少なく小型で大出力、きめ細かなトルク制御が可能な三相交流誘導モーターを利用することから、粘着性能やメンテナンス性の向上、車両の軽量化などを図れるメリットがある。

そのため、1990年代前半から鉄道車両で急速に普及したが、当初のスイッチング素子は、作動速度が遅いものの、鉄道車両向けの大電流に耐えられるGTO(Gate Turn-Off thyristorの略)素子が用いられていたが、磁励音が耳障りなこともあり、ドイツのシーメンス社が開発した装置では、これを緩和すべく、音階に聞こえるように工夫されていた。

京急ではこのシーメンス社製装置を1998~2000年に登場した2100形と、2002年に登場した新1000形1・2次車に導入。「歌う電車」とも呼ばれ、親しまれていた。

しかし、1990年代終盤以降はより作動速度が速いIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistorの略)素子が主流となり、近年では省電力性が加わったSiC(Silicon Carbideの略)素子が台頭。京急でも2008年12月の車両更新以来、GTO素子を用いる車両が徐々に減少していた。

その後、シーメンス社が日本市場から撤退したことで保守面の問題もあることから、2020年度の設備投資計画ではGTO素子で残っていた新1000形8両を更新することが明らかにされており、今夏までに全車が日本製のIGBT素子を用いた装置へ換装されることになっている。

なお、京急では消える「ドレミファインバータ」記念して、7月18日に特別貸切イベント列車「ありがとうドレミファインバータ♪」を品川→久里浜工場間で運行するほか、7月10日7時からは京急蒲田駅(東京都大田区)で記念乗車券(2000円)を5000セット限定で発売する。

「ありがとうドレミファインバータ♪」の乗車申込みは京急百貨店「COTONOWA」(コトノワ)会員を対象に先着順に受け付けるほか、記念乗車券購入者の中から15組30人を抽選で招待する。旅行代金は大人3300円・子供2200円。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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