MINIのミニバンコンセプト、仮想から実車に 7月1日発表

実車化は車内のサステナブルな素材を体験できるようにするのが狙い

3種類の「MINIモーメント」によって変化する内外装

クロムメッキやレザー未使用の内装は次世代の市販モデルに反映予定

MINI ビジョン・アーバノート
MINI ビジョン・アーバノート全 38 枚

MINIは6月30日、バーチャルコンセプトカーの『ビジョン・アーバノート』(MINI Vision Urbanaut)を実車化し、7月1日にドイツ・ミュンヘンで初公開すると発表した。

【写真】MINI ビジョン・アーバノート(全38枚)

実車化は車内のサステナブルな素材を体験できるようにするのが狙い

ビジョン・アーバノートは、空間のビジョンのまったく新たな解釈を提案する自動運転のEVミニバンコンセプトカーだ。従来にないインテリア空間と多用途性を提供しながら、占有面積は最小限に抑えている。

ビジョン・アーバノートは、MINIとしては異例の背の高さを持つ。しかし、全長は4460mmに抑え、さまざまな方法で利用可能なインテリア空間を提供し、車内の移動をこれまでになく容易にするという。

目的地に到着すると、数回の簡単な手順で、車内をリビングルームに変えることができる。乗員は、車体側面の大きなスライディングドアを通って、キャビンに入る。最新のスライド旋回機構が採用された。運転席側にも助手席側にも、ドアはない。

2020年11月、バーチャルコンセプトカーとして発表されていたが、MINIは今回、同車を実車化。MINIによると、革新的な空間ビジョンを提示した同車の空間コンセプトだけでなく、サステナブルな素材も体験できるようにするのが狙いという。MINI ビジョン・アーバノートMINI ビジョン・アーバノート

3種類の「MINIモーメント」によって変化する内外装

MINIは、忘れ得ない体験を実現し共有することを将来の主要な役割と考えており、そのような体験を「MINIモーメント」と呼ぶ。MINIモーメントは「自動車で何を体験したいか」を考えることから生まれ、ビジョン・アーバノートのコンセプトの基礎になっている。

ビジョン・アーバノートでは、3種類のMINIモーメントとして、「Chill(くつろぎ)」、「Wanderlust(旅への憧れ)」、「Vibe(雰囲気)」を提案する。MINIモーメントに従って、エクステリアもインテリアも変化し、それぞれの体験に最適の舞台と空間環境を提供するという。

さらに香り、サウンド、アンビエント照明が、それぞれのMINIモーメントで変化する。このような各モーメントによる車両の変化は、仮想コンセプトカーを実車化することにより、現実に体感できるようになった。

Chillモーメントでは、車内で休息するために、車が隠れ家になり、リラックスの場になるほか、集中的な作業にも利用できる。「Cosy Corner」と呼ばれる後席は、座ることも横になることもでき、バックライト付きのループが天井に緑の葉のイメージを投影し、調光も可能とした。中央部では丸型メーターが折り畳まれてディスプレイもスイッチも隠れ、自動車の車内にいることを忘れさせるという。

Wanderlustモーメントは、自動運転または手動運転できる唯一のMINIモーメントだ。ここでは、室内空間を運転または同乗のための理想的な場所にすることを目指す。自分で運転したい時は、MINIロゴに指で触れると、ステアリングホイールとペダルが現れる。中央の丸形メーターが姿を変え、道路のアニメーションが表示されるほか、付近の旧跡や到着予想時刻などの情報を乗員全員が見ることができる。

Vibeモーメントは、すべての側面で時間を共有することを強調する。側面のドアを開け、フロントウィンドウを跳ね上げることで開放的な雰囲気が作り出され、内と外との境界がなくなるという。中央の丸形メーターはメディアの操作スイッチとなり、再生される音楽に合わせてイコライザーで操作されるアニメーションがフロント、リア、フェンダーの平面やループに投影されてクラブ風の雰囲気を作り出す。必要に応じて車を「ラジカセ」にしたり、「マイモーメント」機能により第4のモーメントを自由にカスタマイズしたりすることもできるという。MINI ビジョン・アーバノートMINI ビジョン・アーバノート

クロムメッキやレザー未使用の内装は次世代の市販モデルに反映予定

ダッシュボードに二重の機能を持たせてデイベッド兼用にした。OLEDを使用した円形のセンターディスプレイをテーブルに載せ、Chillモーメントではランプに変身させることもできる。カバー類を交換可能とすることなどにより、使用寿命を長くすることも重視した。インテリアには、クロムメッキやレザーを使用しない方針で、次世代のMINIの市販モデルでは、これを実現する予定という。

インテリアに用いられる主な素材はウール、ポリエステル、テンセルなどのリサイクルされた繊維製品だ。また、デザイナーは単一の素材で構成されたソリューションを重視した。単一素材は、リサイクルが容易なためだ。ステアリングホイールとフロアの一部には、再生と再利用可能なコルク素材が用いられている。

また、「MINIトークン」を置いてMINIモーメントを開始できるテーブル、OLEDディスプレイ付きランプ、室内の布の下や前後のLEDマトリックスなど、アナログ世界とデジタル世界を融合させて新しい没入型体験を追求している。

《森脇稔》

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