◆映画『アバター』と協力

ヴィジョンAVTRは、環境への負荷のない「ゼロインパクトカー」を目指している。メルセデスベンツはヴィジョンAVTRを使用して、持続可能性やデジタル化など、未来のモビリティを表現した。ヴィジョンAVTRは、人間、自然、技術が矛盾するものではなく、互いに調和するモビリティの望ましい未来を表しているという。
ヴィジョンAVTRの技術は現在、基礎研究の段階にある。ヴィジョンAVTRのテクノロジーは、ラグジュアリークラスにおける持続可能なゼロエミッションモビリティに向けた重要なステップになるという。メルセデスベンツは、大型でラグジュアリーな自動車を将来、環境に適合させるために、ヴィジョンAVTRで新しい技術を提案している。
◆爬虫類のようなフォルム

ヴィジョンAVTRのリアには、全方位に移動可能なフラップ、「バイオニックフラップ」を33個装備している。33個のバイオニックフラップにより、前後に移動できるだけでなく、斜めに移動することもできる。従来の車両とは異なり、ヴィジョンAVTRはカニのように横へも移動できる。爬虫類のようなフォルムと高い敏捷性を備えているという。
ヴィジョンAVTRには、新しいユーザーエクスペリエンスコンセプトを導入した。ヴィジョンAVTRコンセプトの内部から出るデジタルニューロンにより、外部との通信を可能にしている。「ニューロ」にヒントを得たセンサーやチップ、その他のコンポーネントの電力消費を、数ワットに最小化することを目指した。電力は、ヴィジョンAVTRのリアに組み込まれたソーラープレートからも得られる設計とした。
◆センターコンソールに手を置くだけで直感的に車両を制御

ヴィジョンAVTR のインテリアは、没入型のエクスペリエンススペースとなっており、まったく新しいユーザーエクスペリエンスを可能にしている。ヴィジョンAVTRのさらなるハイライトが、制御ユニットだ。手動運転モードでは、センターコンソールのマルチファンクションコントロール機能により、ドライバーがセンターコンソールに手を置くだけで、直感的に車両を制御できる。
ヴィジョンAVTRは、人と自然と調和した電気自動車を目標に掲げる。化石燃料の使用を廃止することにより、100%リサイクルが可能だ。メルセデスベンツは、ヴィジョンAVTRによって、ゼロエミッションモビリティの持続可能な未来を提示している。
◆最大出力476hp以上の4モーター搭載

ヴィジョンAVTRのEVパワートレインは、4つのホイールに、高性能な電動モーターを組み込む。モーターの出力は、合計で 476hp以上を引き出す。メルセデスベンツによると、「EQ Power」の新しいベンチマークになるという。
ヴィジョンAVTRでは、インテリジェントな可変式トルク配分システムを採用する。4つのモーターを個別に制御でき、駆動ダイナミクスを効率的に引き出す。トルクベクタリングを備えた4WDシステムは、高いレベルの駆動ダイナミクスとアクティブセーフティを実現するという。
◆1回の充電での航続は最大700km以上

バッテリーは15分以内にフル充電できる。また、バッテリーは最小部分の大きさを94mmとし、インテリア空間を大きく取ることを可能にしている。バッテリーの蓄電容量は、およそ110kWhと大容量だ。1回の充電で、最大700km以上の航続を実現する。コースト機能と回生ブレーキにより、高電圧バッテリーは、高い効率で充電され、システム全体の優れたエネルギー効率に貢献する。
また、ヴィジョンAVTRでは、「Vehicle to Grid」機能により、高効率バッテリーからエネルギーを住宅などに供給できる。人工知能(AI)で制御することにより、将来の電気自動車のエコシステムにシームレスに適合させられる、としている。