「サバンナ」登場から50年、初代マツダ「RX-3」はどんなクルマだったか【懐かしのカーカタログ】

マツダ・サバンナ
マツダ・サバンナ全 9 枚

マツダ『サバンナ』の登場は昭和46年(1971年)、今からちょうど50年前となる。そこで今回は、1世代で『サバンナRX−7』にバトンを渡したこの初代「RX−3」をカタログで振り返ってみたい。

ホットな、マツダらしいクルマだった

マツダ・サバンナマツダ・サバンナ
「直感、サバンナ」のキャッチコピーで登場した『サバンナ』。いうまでもなく『コスモスポーツ』(67年)、『ファミリア・ロータリークーペ』(68年)、『ルーチェ・ロータリークーペ』(69年)、『カペラ』(70年)に続くロータリーエンジン搭載車だった。同時デビューの『グランドファミリア』をレシプロエンジン搭載車とする一方で、『サバンナ』はロータリーエンジン専用車としたのが特徴だった。

黄/黒2トーンボディの写真は当時(東洋工業時代)のモーターショーで配布されたパンフレットから。外観では、フロントグリルにローターを模ったオーナメントが誇らしげに配されている。写真の下には、ロータリーエンジン開発の提携相手だった“NSU-WANKEL”のクレジットが小さく入っている。

実車は全長×全幅×全高=4075×1595×1355mmと今から見ればコンパクトなボディサイズながら、筋肉質的な抑揚のあるスタイル(とくにクーペ)で、みるからにスポーティな雰囲気を漂わせていた。

マツダ・サバンナマツダ・サバンナ
搭載するロータリーエンジンは、当初は『ファミリア・ロータリークーペ』譲りの10A型(491cc×2ローター、105ps/13.7kg−m)だったが、72年になると12A型(573cc×2ローター)を投入。この12Aは120ps/16.0kg−mから、73年になり、当時の50年排出ガス規制に適合させ(さらに75年には51年規制に適合)、性能も125ps/16.5kg−mに高められている。

サーキットは71年12月に「サバンナRX−3」としてデビュー。72年5月の日本グランプリではワークスGT−Rを破り1-3位を独占。76年5月のJAFグランプリでは、レース参戦通算100勝を達成している。

マツダ・サバンナマツダ・サバンナ
カタログは77年当時、ほぼ最終型S124のもので、フラッグシップのGTが設定された2ドアのクーペのほか、4ドアセダン、さらにはスポーツワゴンまでも用意されているのが注目だ。同年式の搭載エンジンはすべて12Aとなっており、当時の諸元表には“0→400m加速”の記載があり、GTは“15.8(2名)秒”となっている(セダン15.8秒、ワゴン16.1秒!)。

このGTはサスペンションが強化タイプとなり、メーター類の視認性を考慮したシースルースポークタイプのステアリングホイールが装着された。低公害車の規制をクリアしながらもあくまでもホットな、マツダらしいクルマだった。

マツダ・サバンナマツダ・サバンナ

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 「ホンモノのGT」が日常を小冒険に変える…マセラティの新型『グラントゥーリズモ』が誘う世界とはPR
  2. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  3. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
  4. ランボルギーニ、新型車を間もなく発表へ…電動『ウルス』の可能性も
  5. SHOEIが新型フルフェイスヘルメット『GT-エアーIII』にグラフィックモデル「DISCIPLINE」を設定
  6. アルピナ『B3』が2度目のフェイスリフトへ! リムジン&ツーリングをWスクープ
  7. [音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
  8. ホンダの新型SUV『WR-V』、発売1か月で1万3000台を受注…月販計画の4倍超
  9. テスラ モデル 3、新グレード「パフォーマンス」を追加…最高速度262km/h
  10. レンジローバー最初のEV、プロトタイプの写真を公開
ランキングをもっと見る