【ホンダ新領域】時空を超えるアバターロボット、ASIMO進化…2023年に実証

アバターロボット
アバターロボット全 15 枚

ホンダは9月30日、ロボティクスや宇宙など新たな事業領域への取り組みを発表し、「アバターロボット」(分身ロボット)の開発を進めていると明らかにした。

このロボットは遠隔操作によって人の分身となり、リモートでありながら、あたかもその場にいるようにして対象物を扱うことなどを可能にするものだ。バーチャルの環境での医師による遠隔診断と治療、さまざまな作業や学習などでの活用が想定されている。

ホンダはこれまでの「ASIMO」をはじめとするロボティクス研究の蓄積を基に、人を模した「多指ハンド」と「AI(人工知能)サポート遠隔操縦機能」を組み合わせ、高度なアバターロボットの実現を目指している。ASIMOにも採用していた多指ハンドは、さまざまなものを握って保持したり、ドライバーなどの道具を操るといった人間並みの機能を追求している。

同時に、軽いものから重たいものまでを扱える繊細さと力強さの両立も必要で、重量としては10gから6kgまで幅広く対応できるよう開発を進めているという。一方のAIサポート遠隔操縦機能は、人間が違和感なくアバターロボットを操作できるようにAIが手助けするものだ。たとえば、多指ハンドで握ろうとしている対象物の正確な位置を、3次元計測による補正技術でロボット側が正しく認識できるといった機能などをもたせようとしている。

開発を担当する本田技術研究所の吉池孝英・エグゼクティブチーフエンジニアは、多指ハンドについて「ASIMO以降も継続的に技術研究にチャレンジしてきた。人と同等の繊細さと力強さを両立する手を実現しつつある」と、進捗状況を話している。2023年度中には外部の協力も得ながら技術実証に着手する方針で、30年代の実用化を視野に入れている。

また、今年2月からは月面での技術応用を念頭にJAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同研究にも着手している。本田技術研究所の大津啓司社長は、「アバターロボットは時間と空間を超える“4次元モビリティ”と位置付けている。遠隔操作で時空を超え、人の活躍の舞台を広げていきたい」と、語っている。
【ホンダ新領域】
ハイブリッド式の電動垂直離着陸機 eVTOL を開発…2023年にも試験飛行
宇宙へ、再使用できる小型ロケットを開発

《池原照雄》

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