【日産 キャラバン 新型試乗】ガソリン車が変わった!商用バンと思えぬ静粛性に驚く…諸星陽一

日産 キャラバン GRAND プレミアムGX
日産 キャラバン GRAND プレミアムGX全 24 枚

日産の商用バンである『キャラバン』のガソリンエンジン搭載車がマイナーチェンジした。ディーゼルエンジン車もいずれ変更を受けるが、まずがガソリン車が先行という形だ。

ちょっとややこしい話を先にしておく。今回のガソリンエンジンモデルのマイナーチェンジにともなって車名が「NV350キャラバン」から「キャラバン」へと変更となったが、ディーゼルエンジン車は変更を受けていないためNV350キャラバンのままとなる。

日産 キャラバン GRAND プレミアムGX日産 キャラバン GRAND プレミアムGX
ATは従来の5速から7速に多段化、マニュアルモードも追加となり2リットルモデルのJC08モード燃費は従来の10.0km/リットルから10.5km/リットルに向上している。なお従来設定のあった5MTモデルは廃止となった。

発売を前に、日産の所有する評価試験路であるグランドライブにて試乗が許されたのでレポートする。

商用バンとは思えない静粛性の高さ

日産 キャラバン GRAND プレミアムGX日産 キャラバン GRAND プレミアムGX
試乗車は2リットルエンジンを搭載する最上級グレードの「GRAND プレミアムGX」。走り出して感心したのは商用バンとは思えない静粛性の高さだ。キャラバンはシートの下にエンジンを搭載するキャブオーバーモデルなので、ノイズについてはかなり不利なモデルとなる。しかし、キャラバンはしっかりと音振対策が施されていて快適なキャビンを実現していた。

もっとも、試乗車がパーソナルユースも念頭においたGRAND プレミアムGXなので、この静粛性が得られているのも事実。商用1ボックスは荷室にビニール貼りのものもあれば、鉄板むき出しのものもある。それぞれのニーズに合わせた設定なので、すべてのグレードでこの静粛性が手に入れられるとは限らない。

日産 キャラバン GRAND プレミアムGX日産 キャラバン GRAND プレミアムGX
加速感はかなり滑らかだ。5速から7速へとATを多段化したことで、各ギヤ比がクロスレートとなり変速ショックもかなり少なくなっている。加えてマニュアルモードが追加されたことで、定常走行時ももう1段ギヤを高くしてエンジン回転を抑えた走りをしたいということも可能になった。

100km/h時のエンジン回転数は7速で2200回転程度とよく抑えられている。私はシフトダウンによる減速はおすすめしないが、7速となったことで下り勾配がきつい道路での適切なギヤ選択ができるようになったのは非常に有効。多くの荷物を積み、重くなった状態で使うことのある商用バンにはとても大切な機能だ。

パーソナルユースに大きな比重を置いた

日産 キャラバン GRAND プレミアムGX日産 キャラバン GRAND プレミアムGX
今回のマイナーチェンジではパーソナルユースのユーザーにも大きな比重を置いた。自分でクルマをカスタムしながら、多くのアウトドアプレイアイテムなどを搭載して、レジャーに出かける人達にとっては、乗用車ライクな運転席まわりと大きな荷室の組み合わせは実にうれしいところ。

とくに今回から採用されたスパイナルサポート機能付きシートは、身体をしっかりとサポートしてくれて長距離運転でも疲れないだろう。ステアリングが革巻きとなったところも見逃せない。

日産 キャラバン GRAND プレミアムGX日産 キャラバン GRAND プレミアムGX
また、歩行者検知も行うインテリジェントエマージェンシーブレーキや前後踏み間違い防止アシスト、ハイビームアシスト、インテリジェントDA(ふらつき警報)、車線逸脱警報(LDW)などの機能が追加され、全グレードでサポカーSワイドに対応したので、安心・安全の面もグッとアップした。

残念なのは追従型ACCが装備されないこと。ロングドライブや仕事に使うクルマなのだから、低速対応のACCは欲しいところだ。

日産 キャラバン GRAND プレミアムGX日産 キャラバン GRAND プレミアムGX

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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