特製品は音に効く…インナーバッフル[サウンドユニット セッティング法]

ワンオフしたインナーバッフルを使ったスピーカーの取り付け例(製作ショップ:サウンドカーペンター<愛媛県>)。
ワンオフしたインナーバッフルを使ったスピーカーの取り付け例(製作ショップ:サウンドカーペンター<愛媛県>)。全 5 枚
カーオーディオ製品の取り付けにまつわるセオリーを紹介しながら、カーオーディオの奥深さや楽しさを明らかにしようと試みている当連載。現在はスピーカーの取り付けに関する事項を説明している。今回も「インナーバッフル」について解説していく。

前回、スピーカーを取り付ける土台となるパーツである「インナーバッフル」には、「市販品」と「ワンオフ品」とがあると説明した。今回は後者について考察する。

さて、「インナーバッフル」はスピーカーをドアに取り付ける際の必需品であるわけだが、取り付け費用を抑えたいと思ったときには「市販品」がアドバンテージを発揮する。リーズナブルな製品が各社からリリースされているからだ。しかし、音にこだわろうと思うなら、「ワンオフ品」が利を放つ。

「ワンオフ品」とは、特別にこしらえたもののことを指す。そしてこれが音的に有利であるポイントは、主には3つある。

まず1つ目のポイントは、「取り付ける車両にジャストなものを作れること」だ。例えば、ドア内部の鉄板に開けられているスピーカーを取り付けるための開口部より「インナーバッフル」の内径が小さいと、「インナーバッフル」が100%鉄板に乗らなくなる。結果、「インナーバッフル」ががっちり固定されにくくなる。しかしワンオフすれば、鉄板にしっかり乗せられる「インナーバッフル」を作れるので、鉄板ががっちり「インナーバッフル」を受け止められる。ゆえにスピーカーの足場がより強固になる。

ポイントの2つ目は、「スピーカーのフレームに対してジャストなものを作れること」だ。「市販品」だと、場合によってはスピーカーの取り付け面のフレームが「インナーバッフル」からはみ出たりもする。そうなると今度は、「インナーバッフル」がスピーカーをがっちりと支えきれなくなる。しかしワンオフすれば、スピーカーのフレームを100%受け止められる「インナーバッフル」を用意できる。結果、スピーカーがより安定する。

そしてポイントの3つ目は、「耐久性にこだわれること」だ。この点に関しては予算に応じて程度が変わってくることもあるが、ワンオフする場合にはより念入りに防水処理を行えたり素材をより堅い木材やアクリルやアルミに変更できたりするので、より強度の高い「インナーバッフル」を用意できる。強度が高まればそれによってもスピーカーをしっかり支えられるようになり、鉄板を制振する効果も高まる。そして、長持ちする。

ちなみに、各カーオーディオ・プロショップは「インナーバッフル」をワンオフするノウハウを多々持っている。各店ごとで理論が異なる部分があるので、実践される内容は変化するものの、都度、ベストなモノを作ってもらえる。「インナーバッフル」は音響パーツだ。できるだけこだわりを注いで完成させた方が音に効く。覚えておこう。

今回は以上だ。次回からは「デッドニング」について説明していく。お楽しみに。

“特製品”は、音に効く!? サウンドユニットの「セッティング法」を大研究! 第2章「スピーカー編」その3・インナーバッフルlll

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  3. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
  4. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  5. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る