サブウーファーボックスの設置にコツ…低音強化[プロが頼りになるワケ]

“埋め込みタイプ”の「サブウーファーボックス」を搭載したオーディオカーの一例(ジャンライン&パートナーズ・デモカー)。
“埋め込みタイプ”の「サブウーファーボックス」を搭載したオーディオカーの一例(ジャンライン&パートナーズ・デモカー)。全 10 枚

クルマの中で好きな音楽をより良い音で楽しみたいと思ったら、プロの力を借りるべきだ。当連載では、そうである理由を解説している。現在は「低音強化」をテーマに据えて展開している。今回は、「サブウーファーボックス」の“設置”におけるプロの技術を紹介していく。

【画像全10枚】

安全性と音質、この両面をプロは担保!

さて、カーオーディオ・プロショップは「サブウーファー」の設置においても、プロならではのバリューを発揮する。というのも、設置の仕方で安全性もサウンドも変わってくる。プロはそれらを考慮の上で、取り付け作業を完了させる。

では、設置においてどのような注意事項やテクニックが存在するのかを説明していこう。まずは、小型・薄型の「パワードサブウーファー」の場合から。

で、小型・薄型の「パワードサブウーファー」はシート下に取り付けられることが多いわけだが、その際の固定は「面ファスナー(いわゆるマジックテープ)」にて行われることが多い。プロは強力な「面ファスナー」を用意してそれを「パワードサブウーファー」に確実に接着し、簡単に動いてしまわないようにしっかりと固定する。

しかし、「面ファスナー」での設置が向かないケースも有り得る。まず、車両のカーペットが「面ファスナー」に効かない場合もある。またシート下が平らになっていないときにも「面ファスナー」での固定は向かない。「パワードサブウーファー」の安定感が悪くなるので、水平に置ける工夫をする必要があるからだ。

そういう場合にプロは、以下のように設置する。まずは固定用のボードを用意して、それをフロアに固定する。そのとき凹凸によって水平に置けないようなら、ゲタを履かせる等の工夫を凝らす。そしてその上にカーペットを被せ、カーペットの上からボードにビスを打ち込み「パワードサブウーファー」を固定する。

“箱載せタイプ”の「サブウーファーボックス」は、置き方を変えて鳴り方をコントロール!

続いては、“箱載せタイプ”の「サブウーファー」について説明していこう。なお“箱載せタイプ”とは、大型のボックスに組み込まれた「サブウーファー」のことを指す。

で、“箱載せタイプ”の「サブウーファー」はトランクに置かれることとなるわけだが、設置方法は基本的には小型・薄型の「パワードサブウーファー」と同様だ。「面ファスナー」で行うか固定用のボードを用いるか、これらのうちのどちらかだ。なお、音的に有利なのはボードを用いる方法だ。より強固に固定できるからだ。ただし、荷物を載せるときにボックスを降ろしやすくする工夫を盛り込む必要があり、難易度は上がる。しかしプロはこの点においてもノウハウを持っている。例えば、固定する4点のうち2点は引っかけるような仕様にしておき、ビスの取り外しは2箇所で済むようにする等の工夫を施す。

ところで“箱載せタイプ”の場合には、設置する場所や向きも吟味される。どこにどう置くかで鳴り方が変わってくるからだ。例えば、場所によって“位相”が合う合わないという違いが出てくる。“位相”とは音波のタイミングだとイメージしてほしい。で、「サブウーファー」を導入する場合には、ドアスピーカーとサブウーファー間での「クロスポイント(帯域分割を行う境目)」付近の音は「サブウーファー」とドアスピーカーの両方から聴こえてくるのだが、それぞれから放たれる音の音波のタイミングがズレるとサウンドが上手く繋がらない。そんなときには「サブウーファーボックス」の位置をずらすと、音波のタイミングが揃う場合があるのだ。

また振動板を横に向けると、低音がフロアに反射して増強効果が得られたりもする。あるいはリアゲートに音をぶつけるような置き方をしても、そのような効果が発揮される。プロは状況に応じて、そして必要性に応じて、ボックスの向きを変えて鳴り方をコントロールする。

プロなら“埋め込みタイプ”のボックスも自在に作れる!

ところでプロは、“埋め込みタイプ”の「サブウーファーボックス」もワンオフできる。どのようにして作るのかというと、概ねの工程は以下のとおりだ。主にはトランクフロア下のスペアタイヤや小物入れスペースが活用されるのだが、「サブウーファーボックス」はある程度の容量が必要となるので、スペースをフルに使い切らなければならなくなる場合がほとんどだ。なので変形ボックスが作製される。

細かくはいろいろなノウハウがあるのだが、1つの方法としては直方体のボックスを2つとか3つ用意してそれを組み合わせて変形ボックスとして仕上げられることもある。または、FRPにてフロアの鉄板の形をトレースするようにして成型されることもある。

なお“埋め込みタイプ”では、フタにも工夫が凝らされる。例えば、完全にサブウーファーが見えなくなるようなフタにすることもある。その場合には音を鳴らすときにはフタを外し、荷物を積むときには「サブウーファーは鳴らさずにフタを閉じる。または音が抜けるように穴を開けて作られることもある。

さらには、フタを外したときの見た目にこだわって仕上げられることもある。周辺に生地を貼ったり、場合によってはLEDが埋め込まれてライトアップされることもある。なおプロは、“埋め込みタイプ”であっても狙った音を出せるように、容量や形や仕様を考えて設計する。プロはどのような箱を作るにせよ、音のことを優先して「サブウーファー」の設置を完了させる。

今回は以上だ。次回以降もプロならではの“凄さ”の解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

「サブウーファーボックス」の設置にもコツがいる!? 「プロが頼りになるワケとは…?」 Part2「低音強化」編 その4

《太田祥三》

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