「DS」は最も美しいカーブランドか?型にハマらないその魅力、その原点とは【懐かしのカーカタログ】

シトロエンDS 3
シトロエンDS 3全 15 枚

「最も美しいクルマ」を歌う新型『DS 4』が登場したばかりだが、当初、“Cライン”と並ぶシトロエンの1シリーズとして登場したのが“DSライン”だった。そこで今回は最初の“シトロエンDSライン”の各車を振り返ってみたい(年号はいずれも日本市場登場時)。

シトロエン DS 3(2010年)

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シトロエンのエントリーモデル『C3』をベースに登場したのがシトロエン『DS 3』だった。“創造性とテクノロジーを象徴する新しいシリーズ”であるDSラインのトップバッターの役割も果たした。グリルの加飾と一体化した新デザインのダブルシェブロン、シャークフィン状のBピラー、フローティングルーフなどが外観の特徴。

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インテリアでは、カラーコーディネートされたインパネ(全5色)や、アルカンタラ&ファブリック、レザーなど凝った素材を採用したシートなど、コダワリを見せる仕立てを特徴に。外観では7色のボディ色、4色のルーフとドアミラー、2トーンのアルミホイールやカラーコーディネートされたセンターキャップなども用意された、“ビークルパーソナリゼーション”と呼ぶカスタム仕様が楽しめた。

シトロエン DS 4(2011年)

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クーペとSUVを融合させたクロスオーバー的な、まさにその後のトレンドを先取りしたスタイルを特徴としたのが、この初代の『DS 4』だった。最低地上高は170mmながら、18インチまたは17インチサイズの大径タイヤ&ホイールが独特のスタンスを演出。パノラミックウインドゥと呼ぶ、ルーフまで大きく回り込んだフロントウインドとやや高めの乗車ポジションで広い視界を実現。4ドアの後部ドアハンドルは、ウインドゥ後方にカモフラージュさせたデザインになっていた。

シトロエンDS 4シトロエンDS 4

5色から選べる室内の標示光、4種類の和音から選べるアラーム&作動音なども用意。電気式パーキングブレーキも採用するなど、洗練された装備も特徴だった。

シトロエン DS 5(2012年)

シトロエンDS 5シトロエンDS 5

DSラインのトップモデルとして登場した『DS 5』。2005年のフランクフルトのショーモデル『C-スポーツラウンジ』を原形とし、グランツーリスモとステーションワゴンを融合させたスタイルはとにかく独創的なものだった。ヘッドライトからフェロンとフェンダーを走りサイドウインドゥに向かうクロームのサーベルライン、ポリカーボネイト製リヤサイドディフレクターなどのディテールも特徴。

シトロエンDS 5シトロエンDS 5

さらに何といってもインテリアデザインもこだわりまくりで、スイッチなどが航空機のイメージで配列された運転席まわり、ルーフコンソール、グラスルーフ、それと腕時計のストラップを模したパターンのレザーシートなど、他に類を見ないもの。型にハマらない、まさにDSラインを象徴する代表的モデルだった。

シトロエン DS(1955年・パリモーターショー)

シトロエン DSシトロエン DS

シトロエンといえばユニークなハイドロニューマチックサスペンションがまず思い浮かぶ。このシステムを搭載した記念すべきモデルがこの『DS』だった。窒素ガスをスプリングに、オイルをダンパーに使い、それを油圧制御する独創的なメカニズムを搭載。さらに未来的なスタイリングも纏ったアヴァンギャルドなこのクルマこそ、今のDSブランドの原点だった。

シトロエン DSシトロエン DS

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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