「VR-4」が存在感を放った、6代目『ギャラン』の唯一無二【懐かしのカーカタログ】

三菱ギャラン・6代目
三菱ギャラン・6代目全 6 枚

『ギャラン』はかつての三菱の主力セダン。『コルト』の系譜から最初は『コルトギャラン』として誕生し、『ギャラン・シグマ』へと発展。再び『ギャラン』に戻り、『ランサー』後継の『ギャラン・フォルティス』の登場以前に、日本市場では8世代が続いた。

【画像全6枚】

そんな『ギャラン』のなかでもひときわ印象深い世代といえば、1987年に登場した6世代目(E30系)ではないだろうか。FF化した5代目の後を受け、車名が(“シグマ”が外され)『ギャラン』に戻り、次の7代目で空力を意識しつつ3ナンバー化する直前の最後の5ナンバーボディだった。

“インディビジュアル4ドア ギャラン”がキャッチコピー。スタイリングは“オーガニックフォルム”と呼ばれた、まさに独創的なもので、S字を描くドア断面や、後に8世代目に受け継がれた逆スラントのノーズ、1430mmと背が高く、似たクルマのない、クッキリとしたフォルムのセダンに仕上げられていた。なお兄弟車に5ドアの『エテルナ』と、その4ドアセダン版の『エテルナ・サヴァ』もあった。

メカニズムでは、トップモデルの「VR-4」が存在感を放った。“4VALVE+4WD+4WS+4IS+4ABS”をカタログで謳い、“CYCLONE”の呼び名のローラーロッカーアーム採用の2リットルDOHCインタークーラーターボ(4G63ECI-MULTIインタークーラーターボ)を搭載し、このユニットは205ps/30.0kgmの当時としては卓越した性能を発揮した。

またシリーズには“ACTIVE ECS”と呼ぶ、電子制御により空気バネを制御するサスペンションも設定。4WD系のリヤサスペンションにはダブルウイッシュボーンが採用された。4WS(車速・操舵力感応型4輪操舵、油圧制御式)も4WD系に標準搭載され、リニアで安定感のある走りを実現していた。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
  2. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  3. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  4. ヤマハの3輪スクーター『トリシティ』が進化! SNSでの注目は「デザイン」と「屋根が付くか」
  5. レクサス『IS』改良新型、米国はハイブリッドなし..V6ガソリンだけを設定
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る