【メルセデスベンツ EQB】電気自動車だと構えずに…商品企画担当[インタビュー]

メルセデスベンツ EQB
メルセデスベンツ EQB全 13 枚

メルセデス・ベンツ日本はEQの3車種目、SUVの『GLB』をベースとしたメルセデスベンツ『EQB』の導入を発表した。そのユーザー層や商品特徴について商品企画担当者に話を聞いた。

◆メジャーではないが故の施策

----:EQシリーズは2019年に日本導入以降今回で3車種となります。そこでまずEQシリーズを買っているユーザーはどういう人たちなのでしょうか。

メルセデス・ベンツ日本営業企画部商品企画2課の木下潤一さん(以下敬称略):ものすごく特徴があるという感じではありません。ですから、内燃機関のクルマから乗り換えをしていただくのが1番多いパターンです。その一方で、『Gクラス』や『Sクラス』など複数保有の方が増車される場合もあります。

----:ではEQシリーズの売り方に何か特徴は持たせているのでしょうか。

木下:すごくアーリーアダプターというわけではありませんが、(EVは)やはりまだ世間に普及し切っているものではありません。そこでその際の不安を取り除くために色々な施策を用意しています。例えば1年間メルセルスミーチャージは無料です。こういうものがないと充電するとどれぐらいの時間やお金がかかるのかなど、そういうことも分からないのでそこが障壁になってしまいます。そこで、一先ず1年無料で、その間に色々経験していただけるようにすることで、ハードルが下がります。

また、保証もこのクルマは最初から5年間つけていますので、まずはその5年間は安心して乗ってもらえます。このように乗るためのステップを低くできるような販売の仕方を心がけています。

----:やはりハードルは高いのでしょうか。

木下:もちろん人によるところではありますが、例えば都内のタワーマンションにお住まいで機械式駐車場というような方にとっては、充電のソリューション面でのハードルはちょっと高いところにあるかもしれないですし、一戸建てなどで普通充電機を設置できるような環境であれば、それほどではないかもしれません。ただやはり電気自動車はまだ日本でわずか1%というシェアですので、まだ初めの1歩を踏み出すところには多少勇気が必要ではないでしょうか。

----:その背中を押す施策として考えられているわけですね。

木下:そうですね。なので、気兼ねなく最初のステップを踏み出してもらえるようにというところには気を使っています。

◆あえてベースモデルの良いところを取り入れて

----:今回のEQBはベースとなるGLBとデザイン的には近しく見えます。その理由はなんでしょう。

木下:EQAに関しても『GLA』のシルエットはそのままに、フロントやリアで特徴を出していますが、特にこのEQBに関しては、GLBのシルエットがボクシーですごく印象的なので、特にそう感じるのかもしれません。そのうえで、フロントやリアに、EQの特徴的なアイコンを入れ込んでいます。デザインは機能を語っていますので、電気自動車だからと言い訳にならないようにしています。

メルセデスベンツ EQBメルセデスベンツ EQB

私たちはこのクルマは“電気自動車でユーティリティが高い”という表現ではなく、“ユーティリティの高い電気自動車”だと思っています。ですから、電気自動車ですが、250であれば520kmの航続距離がありますので、例えば一般的なお客様は1日で400kmくらい走る機会はそう何度もないでしょう。そのうえで、きっちり7人乗りでとてもユーティリティが高いことなど、GLBでご支持いただいてるところをそのまま入れ込んでいるところがこのクルマの特徴です。

メルセデスベンツ EQBメルセデスベンツ EQB

----:ではEQBのターゲットユーザーを教えてください。

木下:千客万来なんですけれども(笑)。とはいえ、GLBと同じように、どんなライフシーンにも合うクルマだと思っていますので、家族で荷物をいっぱい積んで、例えばキャンプに行っていただくのでもいいし、コンパクトなので街乗りで使うにも何の不自由もないですし、例えば、おじいちゃんやおばあちゃんが来ていて、ちょっと近くのショッピングセンターまでみんなで買い物に行こうという時に7人乗りという用途にも合います。本当にいろんなライフシーンに必ずフィットするクルマだと思っているんですよね。だいぶ広いターゲット層を持っていますが、そのように使い倒していただけるお客様を考えています。2人で乗るだけではない、ただ1人で乗るだけじゃない方にとてもお勧めできるクルマです。

----:それはGLBも一緒ですよね。そこであえてEQBを買うユーザーはどういう人なんでしょう。

木下:私たちの中では“電気だから、内燃機関だから”云々というカテゴライズした考えを逆になくしていきたいんですね。電気自動車だから買うというお客様だけではなく、こういうユーティリティのあるクルマを欲しいという方に買っていただきたいので、特に電気だからということは考えていません。

----:そうすると、同じような室内空間などの機能性を持った内燃機関と電気自動車がありますが、どちらを選びますかという感じですか。

木下:はい、そう思っています。我々は電気自動車のラインナップを増やしていくのはもちろんあるんですけど、とはいえ、無理にお客様に「電気自動車を!」といいたいわけじゃないので、お客様の趣向によってお選びいただくことだと考えています。

----:では最後にEQBで伝えておきたいポイントがあれば教えてください。

木下:ありきたりなのですが、家族皆さんで販売店で試乗していただけると、ユーティリティの高さなどを味わっていただけます。電気自動車だからと構えるのではなく、乗っていただいて、そうすれば普通に使えるんだねこのクルマ、ということが伝わるでしょう。当然メルセデスの品質や、安定性、静粛性、スムーズさは全部あるクルマだということを味わっていただくと、興味がよりわくのではないかと思いますので、ぜひ試していただけたら嬉しいです。



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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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