ボルボ XC90 後継EV、新ドライバーモニターシステム採用…『EX90』は11月9日発表へ

ドライバーが運転に最適でない状態にあることを車両が検知

2台のカメラを使ってドライバーの視線パターンを観察

ドライバーが警告に反応しない場合は安全に道路脇に停車させる

ボルボ・コンセプト・リチャージ(参考)
ボルボ・コンセプト・リチャージ(参考)全 10 枚

ボルボカーズ(Volvo Cars)は9月21日、ワールドプレミアを11月9日に行う予定の新型電動SUV『EX90』に、新開発のドライバーモニターシステムを採用すると発表した。

EX90は、コンセプトカーのボルボ『コンセプト・リチャージ』の市販バージョンだ。EX90は、現行の最上位SUV『XC90』の後継モデルに位置付けられる。

◆ドライバーが運転に最適でない状態にあることを車両が検知

ボルボカーズは、衝突事故ゼロの未来を創るというビジョンを掲げている。このビジョンを達成するためには、衝突事故が起こる可能性のあるすべての理由に、目を向ける必要があるという。

これまでは、車両が周囲の状況をよりよく理解し、乗っている人を守ることに注力してきた。しかし、人を守るための新しい道を切り開くためには、さらに踏み込んで、ドライバーがどのような状態にあるかを車両が理解できるようにする必要があると、ボルボカーズは見る。

そこで、ボルボカーズはEX90に、ドライバーの状況をモニターするシステムを標準装備することにした。このリアルタイムに車内をセンシングするシステムは、ドライバーが運転に最適でない状態にあることを車両が検知できれば、事故を回避するための行動を確実に取ることができるという、シンプルなコンセプトによるものという。

ボルボカーズの新ドライバーモニターシステムのイメージボルボカーズの新ドライバーモニターシステムのイメージ

◆2台のカメラを使ってドライバーの視線パターンを観察

このシステムはEX90に搭載され、最新の車外センサーを補完する形でデビューする。2台のカメラを使って、システムはドライバーの視線パターンを観察し、ドライバーがベストな状態でないことを示す初期シグナルを検知する。ドライバーの視線がどの程度前方に向いているかを、自然な変化も含めて計測することで、ドライバーの目、さらには心が、運転以外のところに集中しているかどうかを判断する。

ドライバーの視線が路面を少ししか見ていない場合、それはスマートフォンを見るなどして、視覚に気を取られている可能性がある。ドライバーが自分の思考で頭がいっぱいになり、自分が何を見ているのかがわからなくなっている場合も考えられる。

静電容量式ステアリングホイールも、ドライバーが運転に集中しているかどうかを検知する役割の一端を担う。ドライバーがステアリングから手を離したことを感知し、ステアリング入力の安定性をモニタリングする。

ボルボ・コンセプト・リチャージ(参考)ボルボ・コンセプト・リチャージ(参考)

◆ドライバーが警告に反応しない場合は安全に道路脇に停車させる

ボルボカーズの特許技術の視線やステアリングの動きを、リアルタイムにセンシングする技術を活用することによって、必要な時に適切な支援を行うことができるようになる、と自負する。支援は簡単な警告から始まり、状況の深刻さに応じて、音量を変化させることができる。仮にドライバーが警告に反応しない場合は、ハザードランプで他の道路利用者に注意を促しながら、安全に道路脇に停車することも可能だ。

ボルボカーズの研究によると、ドライバーがどこを見ているか、目を閉じている頻度や時間を観察するだけで、ドライバーの状態について多くのことが分かるという。研究成果をもとに計算することで、眠気や注意散漫など、ドライバーの能力が低下しているかどうかを識別し、状況に応じた最適な支援を行うことができる、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  2. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  3. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  4. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  5. 復活の『コブラ』販売へ、英ACカーズが米国市場に本格参入
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る