2022年12月15日に開催されたセミナー「【EV海外OEM・部品メーカーセミナー】第1回 BYD Auto Japanの戦略」の全文書き起こしです。
講演者:BYD Auto Japan株式会社 代表取締役社長 東福寺厚樹氏
モデレーター:株式会社日本電動化研究所 代表取締役 和田憲一郎氏
講演の後に設けられたQ&A・ディスカッションでは、ディーラーでのアフターサービスやパーツ供給体制、PHPと型式認証の計画など、白熱した議論が展開されました。以下の動画で視聴可能ですので、ぜひご覧ください。
動画はこちらから
東福寺:みなさんこんにちは。BYD Auto Japanの東福寺と申します。本日はこういった貴重な機会をいただきましてありがとうございます。「BYD Auto Japanの戦略」と題して、来年1月以降に日本で展開する当社の乗用車ビジネスついてアジェンダに沿って説明いたします。
まず中国市場の概況全般、2番目にBYD事業として本国中国の事業の概要や、BYDの企業として持っている優位性について簡単にご説明いたします。3番目に日本の乗用車市場参入にあたって我々が今準備している内容について、そして4番目は特に販売開始に向けた準備状況の詳細を説明し、最後にディスカッション及び質疑応答という形で進めていきます。
まず2017年、18年、19年の乗用車+商用車の台数の合計である総需要ベースで示した中国の自動車販売台数を表したグラフをご覧ください。

中国市場は世界一の台数を誇っていて、2017年が2887万台、2018年が2800万台でした。米中貿易摩擦などが激しくなったあおりもあって2019年は2570万台程度に少し落ち込みましたが、2020年末になって中国政府から新エネルギー車産業発展計画が交付され、当時は5%だった新車販売に占める新エネルギー車のシェアを、2025年までに約20%に引き上げるという目標を掲げていろいろな政策とサポートが始まりました。
それらを追い風に、新エネルギー車の需要が大きく増加している状況にあります。今年の見通しとしては、2022年末で新エネルギー車の需要が約500万台拡大するだろうと考えられていて、総需要の2600~2700万台のうち約500万台が新エネルギー車のマーケットということになれば、5年前の2017年と比べると大幅な増加になります。割合としては約3%弱だったものが2022年には18%にまで伸びるということは、6倍強という急激な拡大をしているということです。
その中で2021年度の新エネルギー車に占める各ブランドのシェアについては、9年連続でBYDが電気自動車販売の販売台数で1位を獲得しています。2021年は国内販売台数が350万台あったうちの60万台がBYDでした。
