スズキの新世代バイク『Vストローム800DE』と『GSX-8S』の共通点と違いとは?…東京モーターサイクルショー2023

スズキ GSX-8S(上)とVストローム800DE(下)の共通点とは
スズキ GSX-8S(上)とVストローム800DE(下)の共通点とは全 16 枚

スズキは、昨年11月のミラノショーで発表したデュアルパーパスモデルの『Vストローム800DE』と、オンロードモデルの『GSX-8S』を3月24日に発売。同日に開幕した第50回東京モーターサイクルショーへ出展した。

◆性格は違えど同じエンジンを採用する兄弟モデル

新設計の775cc直列2気筒新設計の775cc直列2気筒

この2台はともに、新設計の775cc直列2気筒を搭載する。量産二輪車初という、クランク軸に対し90°に一次バランサーを2軸配置する構造で、各シリンダーの一次振動を抑制するスズキクロスバランサーを採用し、軽量・コンパクト化を図ったエンジンだ。また、暖機時の温度変動を低減する冷却システムや、スムーズで無駄のない変速と駆動力伝達を実現するスズキクラッチアシストシステムにより、排気クリーン化や高効率化にも配慮されている。

◆『Vストローム』と『GSX』それぞれスズキの伝統モデルが新世代へ

Vストロームは、2002年に海外向けモデルとして誕生し、日本仕様は2013年に650からスタート。オフロードバイクより快適に舗装路を走行でき、オンロードバイクより未舗装路での性能に優れるタイプで、車名はヴァーサタイルの頭文字であるVと、流れを意味するドイツ語のstromを組み合わせたものだ。

スズキ Vストローム800DE(東京モーターサイクルショー2023)スズキ Vストローム800DE(東京モーターサイクルショー2023)

800DEはその最新モデルで、昨年11月にはスズキ本社で開催されたオーナー向けイベントのVストロームミーティング2022で国内初公開。その際の開発者の説明にとれば、DEのサフィックスは「デュアル・エクスプローラー」の略。21インチフロントホイールやセミプロックパターンの前後タイヤなどにより、従来モデルよりオフロード性能を高めたという。

いっぽうのGSX-8Sは、スズキのスポーツバイク伝統の車名であるGSXを受け継ぎながら、3~4桁の数字で排気量を表すこれまでの命名法とは異なるネーミングが示すように、新コンセプトのストリートバイク。出力特性やトラクションコントロールの設定変更機能や、クラッチとスロットルの操作なしに変速できる機構などを盛り込み、ライダーの年齢やスキルを問わず、多様な乗り方ができるモデルとして開発された。

スズキ GSX-8S(東京モーターサイクルショー2023)スズキ GSX-8S(東京モーターサイクルショー2023)

エンジンやフレームの基本設計を共有しながら、性格が大きく異なるこの2台を同時に市場投入することで、よりユーザーニーズに寄り添ったラインナップが構成されたと言える。すなわち、Vストロームは特色である走破性をより強化し、オンロードでのイージーライディングを求めるライダーにはGSX-8Sを提案できるというわけだ。

当然ながらというべきか、エンジンスペックは各車の性質を考慮して最適化が図られた。最高出力はVストローム800DEが82ps/8500rpm、GSX-8Sが80ps/8500rpmで、最大トルクはともに76Nm/6800rpm。また、Vストロームのほうが2次減速比は低い。28kgの重量差や、車体とライディングポジションの違いによる空気抵抗などを相殺し、それぞれの走行シーンに合った動力性能を発揮することが期待できる。このほか、悪路走行も想定されるVストロームでは、トラクションコントロールシステムにG(グラベル)モードを専用設定する。

スズキ Vストローム800DE(東京モーターサイクルショー2023)スズキ Vストローム800DE(東京モーターサイクルショー2023)

同じエンジンを積みながらジャンルの違うこの2台だが、共通するのは、いずれも幅広いユーザーを想定し、毎日の移動からツーリングまでをカバーする軽量で扱いやすい800ccクラスを目指したという点だ。価格は、Vストローム800DEが132万円、GSX-8Sが106.7万円。

《関耕一郎》

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