日産 エクストレイル はシェルブロンド以外にも推しカラーがある…CMFデザイナー ・インタビュー

日産 エクストレイル
日産 エクストレイル全 10 枚

日産エクストレイル』は、これまでのタフさ、道具感だけでなく、より上質さを織り込みデザインされた。そこに大きく貢献しているのがCMF(カラーマテリアルフィニッシュ)だ。そこで担当デザイナーにその特徴などについて話を聞いた。

【画像全10枚】

日産グローバルデザイン本部第二プロダクトデザイン部課長代理のイ・ミョンウンさん日産グローバルデザイン本部第二プロダクトデザイン部課長代理のイ・ミョンウンさん

◆プレミアムさを強調したカラー

---:これまでエクストレイはタフさを推してきたクルマでした。しかしこの新型ではかなり上質さに重きを置いており、特にCMFがキーになるように感じます。そこでまずはボディーカラーの考えを教えてください。

日産グローバルデザイン本部第二プロダクトデザイン部課長代理のイ・ミョンウンさん(以下敬称略):今回ラインナップとして様々なカラーを用意していますが、今回のイメージカラーでもあるシェルブロンドは、よりリファインド、プレミアムさのところに重きを置いて設定しました。

一方で、ステルスグレーというソリッドライクカラーは、『アリア』や『ノートオーラ』にもすでに設定されている色なのですが、実はこの色はエクストレイルをターゲットにして開発した新色なんです。ですので、エクストレイルのタフさを想定しながら、カスタマーのアウトドア感とか出かけるシーンとかをイメージして開発した色なのです。各カラーライナップでタフさを感じる色、プレミアムさを感じる色などお客様が好みで選べるように用意しています。

---:シェルブロンドはいままでのエクストレイルにはないカラーですよね。

日産 エクストレイル日産 エクストレイル

:そうですね。上質さというのを、今回推しているので、タフネスだけでなくてプレミアム感を表現できる色として新しく設定してる色です。

---:新色ですか。

:新色ではありません。昔、『エルグランド』に設定のあった色なのですが、かなり昔の色なので、ほぼ新色に近いと感じられるでしょう。新型のエクストレイルに塗ることで、印象が新しく変わっているかと思います。

---:全然気づきませんでした。

:そうですよね、なかなか覚えている方はいらっしゃらないかもしれません。エルグランドとは違う形状に塗ることで色のイメージもかなり変わりますし、イメージがタフ&リファインにぴたりとあった色なので、今回コミュニケーションカラーとして設定しているのです。

◆実はエクストレイル用に開発したカラー

---:その豊富なカラーラインナップの中でイさんの思い入れが強いカラーはどれかありますか。

:それはやはりステルスグレーです。ソリッドライクカラーというのは、造形のスタイリングデザイナーから見ると、形状の陰影が出づらいということであまり好まれないカラーなんです。ただ今回はトレンドでもありましたし、タフネスさを表現するこのソリッド感、塊感というのにはとても適してる色なので、すごくプッシュしていたんです。それから、完全なソリッドカラーにするとちょっとペタッとして見えるところがありますので、パールの量や、グレーの明度感、重さ感をとても繊細につめていった色なので、やはりこの色への思いが大きいです。

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---:仰るようにグレーはものすごく難しい色だと思います。面の抑揚や陰影が出にくいカラーでもあります。それでもあえてグレーを選んだのはなぜだったのでしょう。

:グレーも色相を少し変えると、例えば黄色味のグレーはシリアスなイメージになったり、青味のグレーは逆にすごくアドバンスに見えてくれるんです。ですので、グレーはニュートラルながらも個性を持てる色としてちょうどいいのではないかと考えました。それから自然に溶け込むような色でもありますので、アウトドアのタフネスを表現するとしても適した色ではないかと思い、今回グレーをベースにソリッドライクカラーを開発していきました。

◆エクストレイルとして欠かせない伝統のカラー

---:一方で今回もあえて赤を出しましたよね。

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:はい。タフ&プレミアム、上質といった時に、先代のエクストレイルの赤よりも、深みのある赤にアップデートされています。同じティンテッドカラーで、カラークリアを使った鮮やかな赤なのですが、既存の赤よりももっとディープでリッチな色になっています。なので、私たちがお客様にアピールしたかった上質さを、歴代の赤の中でもさらにアピールできたと思っています。このカーディナルレッドは日本市場初ですし、エクストレイルとしても初めて設定する色ですが、こういう意味合いも込めているのです。

---:では、シェルブロンドはなぜこの色相を狙っているのですか。確かに上質さは感じさせるのですが、あえてこのカラーを選んだのかを教えてください。

:先代エクストレイルのカラーラインナップにブラウン系があったんです。結構ストレートなブラウンで、そういうクラシックなブラウンによる上質さもアピールできたと思うんですが、今回はよりモダンでアドバンストなイメージも持たせたくて、そこにプレミアム感を感じさせる、そういうイメージを持たせたかったのです。またシェルブロンドはツートーンと組み合わせることで、よりスリークに見せてくれるカラーでもあります。因みにステルスグレーにもツートーンが設定されており、今回、推しのカラーには全部ツートーンを設定しています。

---:ツートーンの塗り分けも面白いですよね。

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:そうですね。スタンスが低く見えてるので、クルマがよりシャープに見えます。なのでエクストレイルのツートーンルーフは『キックス』とは違って、全部ブラックに統一しています。

◆西陣織のパターンも取り入れて

---:内装に着いてもお伺いしたいのですが、特にシートの模様が特徴的ですね。

:防水シートの織物の中で、京都の西陣織のパターンを取り入れたものがあります。『アリア』の時から、私たちはタイムレスジャパニーズフューチャリズムといって、日本の要素を取り入れることに気を使っており、今回も、防水シートにもそういうタイムレスなパターン、日本的なパターンをエンボスで押して入れました。それも丈夫さというのを見せるためのこだわったところですし、プレミアムにも関わると思います。西陣織というのは、繊細な織りパターンなので、それを掛け合わせた、まさに、タフネスとリファインを融合させた要素かなと思っています。

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---:そのほかインテリアでこだわったところを教えてください。

:インパネのアッパーのところがブラウンになっています。そのアッパーのブラウンの帯がキャビン全体を回っていて、より解放感だったり、ラウンジのようなプレミアムさだったりを、空間全体にさりげなく伝えています。なので、内装であっても単純にオールブラックではなく、そういうところに少しプレミアムのヒントがあったりしますので、インテリアも興味深く見ていただければいいなと思っています。

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《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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