太陽インキ製造のソルダーレジストがクルマの自動&電動化で選ばれる理由

JPCA Show 2023(5月31日~6月2日 東京ビッグサイト開催)太陽インキ製造ブース
JPCA Show 2023(5月31日~6月2日 東京ビッグサイト開催)太陽インキ製造ブース全 7 枚

プリント基板に欠かせないソルダーレジストで世界シェアトップ、埼玉県嵐山町に本社を構える太陽インキ製造が、JPCA Show 2023(5月31日~6月2日、東京ビッグサイト開催)に出展し、その初日に車載用高熱伝導性現像型ソルダーレジストなどの特長を説明した。

プリント基板(PCB)に欠かせないソルダーレジスト(SR)は、プリント配線板(PWB)の表面を覆い、回路パターンを保護する絶縁膜となるインキのこと。ソルダーレジストは、部品の実装時にはんだ(ソルダー)が不必要な部分へ付着するのを防止し、さらに永久保護膜として、ほこりや熱、湿気などから回路パターンを保護し、絶縁性をキープする役目をもつ。

◆故障や発火につながる可能性も

ソルダーレジストで世界シェアトップの太陽インキ製造担当者は、「クルマは、温度変化が大きい環境や、高温高湿下で動作する部品が多く存在し、たとえばプラグやECUまわりの基板に高電圧がかかったときに、ソルダーレジスト層(絶縁層)がひび割れたことがきっかけでショート、スパークなどが発生し、故障や発火につながることがある」という。

「太陽インキ製造のソルダーレジストが世界のティア1・2などで採用されている理由のひとつは、やはり耐熱性・絶縁信頼性。そして難燃性、耐トラッキング性などがあげられる」

◆耐熱・絶縁信頼性に優れ、高Tg・低CTE

たとえば、同社の車載用アルカリ現像型ソルダーレジスト「PSR-4000 HT3」は、省エネ効果の高い車載パワー半導体に対応した実装部材で、耐熱、絶縁信頼性に優れた感光性。同社の車載用ソルダーレジストは世界中に供給されている。

「高Tg(ガラス転移点)と低CTE(線膨張係数)で、マイナス40度と175度の間を1000回冷熱サイクルしたときでもクラック(ひび割れ)耐性をキープする」という。

また同社はスマートフォンやパソコンのプリント基板用ソルダーレジストも手がけるなか、クルマの電動化や自動運転化のトレンドに対しては、「違う特性にあわせて最適化しつくっている」と伝え、太陽インキ製造担当者はこう続けた。

◆高温多湿下で1000V絶縁信頼性を確立

「国内外メーカーの電気自動車の要求は今後も高まるなか、急速充電も加速し高電圧・高電流化に対応すべく、太陽インキ製造では、温度85度・湿度85%の環境下でも1000V絶縁信頼性を確立させている製品もある」

「また高電圧・高電流化や、自動運転システム用のプリント基板は、自ずとそのサイズも大きくなる。スマホやパソコンのプリント基板よりも数倍も大きいプリント基板のなかを、ロスなく電気信号を送らなければならない。だから低誘電率、超低誘電正接での伝送損失低減性も、各メーカーが採用する理由のひとつ」

補聴器やスマートフォンから、巨大なロケットまでのプリント基板用ソルダーレジストを手がける太陽インキ製造。ソルダーレジストと同じ緑色のCIカラーで彩った太陽インキ製造ブースでは、こうした電気自動車向け高放熱・高信頼性製品をはじめ、第19回JPCA賞を受賞した感光性絶縁フィルム「低ロス感光性層間絶縁フィルム」、再生可能エネルギー向け高回路厚対応製品、スマートフォン向け高密度配線対応製品などを紹介している。

《レスポンス編集部》

アクセスランキング

  1. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  2. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  3. スズキ『ジムニー』、フランス最終モデルは55台限り…6月末に発売へ
  4. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
  5. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. アステモの軽EV用インホイールモーターやジヤトコの2モーターK12マーチなど、国内サプライヤー技術が熱い!…人とくるまのテクノロジー展2025
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る