EMC対策とバッテリー試験に注目が集まるUL認証と事前試験需要…人とくるまのテクノロジー展2023名古屋

ULブース(人とくるまのテクノロジー展2023名古屋)
ULブース(人とくるまのテクノロジー展2023名古屋)全 4 枚

ULは工業製品の品質検査や性能検査を専門とする民間企業だ。同時に世界的な認証機関としての機能も持っている。人とくるまのテクノロジー展2023名古屋の会場で力を入れていたのはEMC関連とバッテリー性能試験に関するソリューションだった。

いまや電子機器の塊といってもよい自動車において、EMCは従前から引き合いの多い検査項目だそうだが、CASE車両やSDVは、このトレンドを加速させている。コンポーネントごとに分離していたECUが、ゾーン化やビークルOSに対応するため、よりハイパフォーマンスなECUのニーズが高まっている。じつは、エンジン単体、トランスミッション単体を制御するECUは、リアルタイム性能が求められるとはいえ、それほど重い計算処理は必要ない。CANの帯域は1Mbpsが上限とされている。マージンをとった安定制御のためには500kbps前後で稼働させることが多い。

しかし、ゾーンコントローラーや統合ECUは、多数のECUやセンサーフュージョンのメッセージ、通信を処理する必要がある。プロセッサの処理速度は、既存ECUの処理速度、データの伝送速度以上の性能・解像度を持つ必要がある。加えて、ADASや自動運転、あるいはSDVとしてクラウドやアプリとのサービス連携を考えると、扱うデータはセンサー類の単なる電圧やパケット以外に、画像のストリーミングデータを扱う必要がある。画像には、カメラ画像の他赤外線カメラやLiDARの3次元点群データなども含まれる。ECUの処理速度や性能の高度化は、EMC対策も高度化させる。

直流を交流に変換するインバーターはいわば高周波ノイズ発生器でもある。電動車両の開発でもEMC対策が欠かせない。

ULでは、電波暗室や大型リバブレーションチャンバーによる各種試験に対応している。Eマーク、ECE、ISO、CISPRといった国際規格の試験と認証で世話になっている自動車メーカー、サプライヤーは多いだろう。


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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