【日産 スカイラインNISMO】なんちゃってチューンではない! 王道をいく

日産モータースポーツ&カスタマイズ 代表取締役社長兼CEO 片桐隆夫氏
日産モータースポーツ&カスタマイズ 代表取締役社長兼CEO 片桐隆夫氏全 33 枚

日産自動車は8日、現行『スカイライン』に「スカイラインNISMO」「スカイラインNISMO Limited」を設定して発表した。どちらもスカイラインのハイパフォーマンスモデル「400R」をベースとした、NISMOによる限定コンプリートカーとなる。


◆原点はロードカー

記者発表+アンベールにはスカイラインNISMOのほかに「54スカイラインGT」も展示された。プレゼンを行った日産モータースポーツ&カスタマイズ 代表取締役社長兼CEO 片桐隆夫氏によれば、「スカイラインNISMOの原点はあくまでロードカーであるGT」という想いを示しているという。

400Rはすでに400ps以上の出力、475Nmのトルクというハイパフォーマンスな車だが、「NISMOバージョン」ではエンジン出力が420ps(309kW)、最大トルクが550Nmと大幅にパワーアップされた。2WDの大出力・トルクを支えるため、リアタイヤは265/35R19というサイズになった。400Rの245/40RF19よりも20mmもワイドになった。フロントは245/40R19というので、市販車では珍しい前後で異なるサイズのタイヤが装着される。出力アップにともない、ドライブモードの変速機の制御やVDCなどもNISMOバージョン専用のチューニングが施されている。

デザイン面では、往年のサーフラインをサイドスカートからリアタイヤのセンターを通す形で再現されたり、初代、2代目スカイラインのフロントグリルをイメージしたダンベル型の造形をフロントのロアグリル(バンパー部分の開口部)にあしらったりと、こだわりを見せている。さらに54Bスカイラインのフロントフェンダーに装着された「GTバッジ」も復活させた。

◆馬力で15ps、トルクで75Nmの向上

近年の車はラインオフで完成度が高く、NISMOモデルやメーカーチューニングのコンプリートカーでも、エアロチューンがメインだったり、内外装での差別化がポイントのものばかりが目立つご時世だ。しかし、今回登場のスカイラインNISMOは、エンジンスペックをわかりやすい形でアップさせている。パワーだけアップしてもバランスが、といった理屈はいくらいでもつけられるが、やはり馬力で15ps、トルクで75Nmの向上という数値の前に黙るしかない。

電動化やカーボンニュートラルのトレンドに逆行するかのようなモデルだが、NISMOのミッションはベース車のパフォーマンスを上げること。パワートレインはなんであってもニーズがあれば対応するだけだ。実際「NISMOバージョンの要求は高かった」と片桐氏はいう。

◆限定台数

スカイライン NISMOは1000台限定で製造される。販売開始は8月8日からで最初の車両は9月4日から出荷が始まる予定だ。スカイライン NISMO Limitedは、『GT-R』のようにバランスとりした部品から、匠が手作業でエンジンを組み立てる工程を経て出荷されるモデルだ。こちらは限定100台で生産される。8月8日から9月4日まで予約を受け付け、100台は抽選によって割り当てられる。出荷は2024年夏頃とのことだ。

《中尾真二》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 中国マイクロEV『小馬』10万台を販売した「かわいいペット」戦略
  3. 「日本版より洒落てる」2026年モデルの米国版トヨタ『カローラ』発表に、日本のファンも注目
  4. ホンダ『プレリュード』新型、インドネシアでは「オールブラック」なプロトタイプを初公開
  5. 快進撃のヤマハ、次は「親しみやすいスーパースポーツ」で勝負!?「鈴鹿8耐2025」注目の1台
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る