元飛行機技術者たちが作った「プリンス」とはどんなメーカーだったのか…日産の源流のひとつ

プリンス・スカイラインGT-R(手前)とR380
プリンス・スカイラインGT-R(手前)とR380全 5 枚

プリンス自動車工業の歴史
日本の自動車史に大きな足跡を残したメーカー
著者:当摩節夫(プリンス自動車工業出身で歴史考証家)
発行:三樹書房
定価:4950円
ISBN978-4-89522-795-7

【画像全5枚】

今日の日産の源流のひとつであるプリンス自動車工業は、元航空技術者たちによって戦後の国産車において技術的にリード。さらにモータースポーツでは世界の名車と互角の闘いを繰り広げるなどして、日本の自動車史に大きな足跡を残し、いまなお多くのファンが存在する。

今回の増補三訂版では、『スカイライン』や『グロリア』などの乗用車に加え、『マイラー』や『クリッパー』、『ホーミー』などの歴代商用車もふんだんに収録し、貴重なカタログととも巻末には詳細なスペックも紹介されている。

特に日本の自動車の歴史を知るうえで商用車抜きには語れない。プリンスでは良質な商用車も乗用車と同様に開発・生産していた。しかし、それを知るべき資料が非常に少なく、ましてや当時のカタログなどはとても貴重である。本書はそういった視点でもカラーでカタログを紹介。さらにはマイラーなどの輸出仕様のカタログまで掲載されており、これだけでも見る価値はあるといえる。

さらに御料車のプリンス『ロイヤル』に関しても開発途上の非常に貴重な写真などとともに解説されていることも見逃せない。

本書を通してプリンスというメーカーを俯瞰してみることができるだろう。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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