[実践! 初めてのカーオーディオ]初めてのスピーカー、狙うべき価格帯は?

取り付け性の高いミドルグレードスピーカーの一例(ビーウィズ・Lucent Duo 165)。
取り付け性の高いミドルグレードスピーカーの一例(ビーウィズ・Lucent Duo 165)。全 3 枚

音楽好きなドライバーの多くは、その音楽を「今よりもっと良い音で楽しみたい」と少なからず思っているはずだ。そういった方々に向けて、「初めてのカーオーディオ」を指南している当特集。まずは「スピーカー交換」のメリットとやり方について説明している。

◆最廉価なモデルでも、純正「スピーカー」との性能差は明らか。しかし狙うべきは…

ここまでは、「スピーカー交換」が向いている車両、そして選び方のポイントを説明してきた。それに引き続いて当回では、「いくらくらいのモデルをチョイスするべきか」を説明していく。

なお市販「スピーカー」は、1万円前後くらいから存在している。そしてそのような廉価なモデルでも、純正スピーカーと比べて高性能だ。なので最エントリークラスのモデルであっても、交換すれば確実に音質アップが果たされる。

しかしながら、おすすめなのはそこから1グレード、さらには2グレード上のアイテムだ。なぜならば、「低価格帯の製品ほど、価格差が性能差となって現れやすいから」だ。

例えば、1万5000円のモデルと3万円のモデルとでは、価格が倍違う。倍も違えば性能差も離れてしかるべきだ。クルマで考えたとき、150万円のクルマと300万円のクルマとでは性能や快適性が大きく異なる。倍の違いはダテではない。

かくして低価格帯の製品ほど、少しの価格差が大きな違いを生みがちだ。なので予算が許すのであれば、少し上のグレードのモデルまでに手を伸ばせると、得られる満足度がぐっと高まる。

「カスタムフィットスピーカー」の上級機の一例(カロッツェリア・TS-V173Sll)。「カスタムフィットスピーカー」の上級機の一例(カロッツェリア・TS-V173Sll)。

◆ローテクな工業製品ほど、注いだコストが大きな性能差を生みがち!

ちなみに「スピーカー」は、特に価格差が性能差となって現れやすい。なぜならば、「スピーカー」は案外ローテクな工業製品だからだ。つまり仕組み自体はシンプルで、最新モデルであっても根本的な構造は発明された100年ほど前から変わっていない。

このようなローテクな工業製品は得てして、製造コストが性能差となって現れやすい。部材により良いものを使ったり組み立て精度を高めていくと、それらが性能アップに直結する。「スピーカー」の場合は、例えば振動板の素材に何を使うかで音が大きく変わってくる。なので質にこだわろうとすると究極的には、ダイヤモンドのような超希少素材が使われることもある。このような超ハイエンドモデルも、生まれ得る。

なので、5、6万円くらいのモデルからさらに背伸びをして、10万円を超えるモデルまでをターゲットにできれば、最廉価なモデルと比べて“別モノ”といえるほどの高性能なモデルを手にできる。

しかし、10万円を超えてくると「取り付け性」が落ちるモデルが増えてくる。物量が投じられることとなるので筐体が大型化しがちで、取り付け時にある程度の改造が必要となることもある。結果、価格差以上に総費用がかさんでしまう。となると「初めてのスピーカー」としては不向きだ。このことも念頭に置いておきたい。

取り付け性の高いミドルスグレードスピーカーの一例(フォーカル・ES 165 K2S)。取り付け性の高いミドルスグレードスピーカーの一例(フォーカル・ES 165 K2S)。

◆6万円前後の「カスタムフィットスピーカー」は、絶好のターゲットに成り得る!?

ところで「取り付け性」の高さの見極めが「スピーカー」選びのポイントとなると、前回の記事にて解説した。ちなみに取り付け性にこだわるならば、「車種専用モデル」が向いている。それらは、純正スピーカーとの入れ換えが前提となっている場合がほとんどだからだ。

そして「カスタムフィット」とか「トレードイン」と銘打たれている製品も、大きな加工をすることなく取り付けられる。さらには取り付け部材もある程度同梱されている場合が多く、取り付け費用の抑制が可能だ。

で、「カスタムフィット」と銘打たれたモデルは大体、1万円くらいから6万円前後くらいの価格帯に収められている。なのでおすすめ度が高いのはズバリ、6万円前後くらいの「カスタムフィットスピーカー」だ。

なお、さらに上の10万円を超えてくるモデルの中にも、取り付け性に配慮されたモデルがいくつかある。ミッドウーファーの「取り付け奥行き寸法」が抑えられていたり、ツイーターの取り付け用「マウント」が同梱されていれば、取り付けコストをある程度抑制可能だ。そういったモデルであれば、10万円前後であっても「初めてのスピーカー」としてアリだ。

今回は以上だ。次回は、その「取り付け費用」の内訳について説明していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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