スズキは7月17日、車体の軽量化や電動化技術によって使用するエネルギーを抑制することを目指した技術戦略を発表した。柱の軽自動車でも電動化を進める一方でカーボンニュートラル燃料を使うエンジンの開発も進める方針。
スズキの鈴木俊宏社長は同日都内で開いた技術戦略説明会で「小さくて軽いクルマはエネルギーの極少化に大きく貢献することができる」とした上で、「8代目『アルト』を開発する際に全社を挙げた軽量化プロジェクトに取り組み4世代前のアルトより軽い重量に仕立て上げた。今回の技術戦略では軽量化を再加速させて7世代前(3代目アルト)に相当する大幅な軽量化を目指し開発を進めていく」ことを明らかにした。
さらに「お客様の用途に合わせて適所適材でバッテリーリーンなEVとハイブリッド。効率の良いICE(内燃機関)、CNF(カーボンニュートラル燃料)技術の組み合わせ。アフォーダブルな仕組みでクルマの価値を創造するSDVライト。サーキュラーエコノミーに向けたリサイクルしやすい易分解設計。これらを柱として技術開発を進めていく」とも述べた。
このうち電動化に関してスズキの技術統括を務める加藤勝弘取締役専務執行役員は「少ないエネルギーで走れるプラットフォーム、小さくて軽く高効率なE-axle、生活にあった合理的な走行距離を確保する小さな電池パック。そして充電時間も短く、高耐久・高安全な電動技術を現在もそして将来も継続的に開発していく」としながらも、「私たちには過剰な量のバッテリーはいらない。必要最小限なバッテリーでという意図を込めて、バッテリーリーンな電動化技術の開発を掲げている」と説明。