シマノセールスは、バッテリーを搭載しない通常の自転車でも自動変速を可能とする、学習機能を持つバッテリーレス・充電不要の電動オート変速システム「Q'AUTO(クォート)」を発表した。
従来の自転車におけるオート変速技術は、主に電動アシスト自転車(eバイク)のテクノロジーとともに語られる機能だった。シマノはその概念を覆し、バッテリーを搭載しない通常の自転車でもオート変速を可能にした。Q'AUTOはあらゆる自転車利用者にとって、サイクリングをより楽しく身近にするために開発された革新的なテクノロジーだとする。

Q'AUTOは、SHIMANO CUESシリーズ「FH-U6060」に搭載。オート変速専用に設計されたフリーハブで、内部に発電機(ダイナモ)を備えることで、ペダルを回すたびに自ら発電を行うことができる。
フリーハブ内部には速度、回転数(ケイデンス)、傾斜を計測する3つのセンサーがあり、Q'AUTOは走行状況の情報を収集しながら、変速に必要な電力を蓄える。電池切れの心配がないため、充電を待つ時間も必要なく、気軽に走り出すことができるという。
さらにQ'AUTOは学習機能を搭載したソフトウェアを備えることで、ライダーにとって適切なギアを学習し自動で変速、ライダーは変速タイミングを考える必要がなく、前方に広がる景色へ意識を集中することができる。

さらにDi2シフトスイッチを使うことで、ライダーは自分の意志で変速することも可能。かつQ'AUTOへ即座にフィードバックを提供する。スイッチでの変速により、システムはそのギアを選択すると同時に、その時の走行状況(速度、ケイデンス、傾斜)を記憶する。
あらゆるライディングスタイルや様々な路面変化に対し、6500以上のアルゴリズムパターンから最適化。時間が経つにつれ、ライダーの好みに応じた変速を行うようになる。乗れば乗るほど、ライダーと自転車の一体感が高まるという。
このQ'AUTOを搭載した日本国内向けとして初の自転車は、ホダカのスポーツサイクルブランドNESTOより「AUTOMATE(オートメイト)」として2025年11月に発売予定。希望小売価格は税込19万8000円となっている。
