日野自動車は12月24日、地域交通向けソリューション「自家用有償トータルサポート」の取り組みとして推進している「公共ライドシェアにおける運行管理の共同化」が、国土交通省の「交通空白」解消パイロット・プロジェクトに選出されたと発表した。
人口減少や少子高齢化の進行により、地域交通を取り巻く環境は年々厳しさを増している。特に地方部では買い物や通院といった日常生活を支える移動手段の確保が課題となっているほか、観光振興や地域経済の活性化においても持続可能な地域交通の再構築が急務となっている。
日野は「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する」の使命のもと、交通空白の解消に向けたサービス提供を進めてきた。2023年のサービス提供開始以来、導入数は25地域に広がっている。
公共ライドシェアの運行においては、運行管理者による運行管理業務の実施が義務付けられているが、一方でドライバーの安全・安心の確保、予約受付や配車業務の担い手不足、運行管理に伴う業務負担の増大といった課題が顕在化している。
業務負担の軽減や効率化に向けて、自治体内の複数地域で輸送サービス提供者が存在するケースにおいて、これらを遠隔により運行管理(オンライン点呼など)を共同化する取り組みを推進してきた。
従来は運行団体ごとに運行管理の担当者を配置し、かつ早朝、夜間や土日の対応が必要であったため、拘束時間が長く、地域の負担が非常に大きい業務だった。
これを日野が取りまとめて一括管理、複数地域の点呼業務を集約することで、効率化、低コスト化を実現する。また、定期的に運行団体と対話する場を設け、日々ドライバーとのやりとりがある運行管理の立場から改善提案等も実施している。各地の好事例を横展開することでドライバーがより働きやすい環境をつくることや効率的な運用が可能になるなど、一括管理のメリットを提供可能だ。
課題が深刻な交通空白地域においては、自治体が中心となった公共ライドシェアの検討および導入が進んでおり、全国700カ所以上で運行が行われている。「自家用有償トータルサポート」は、運行主体となる自治体やNPO法人等の地域団体を支えるべく、地域の移動手段確保に向けた取り組みを進めている。日本初となる遠隔での運行管理受託事業に加え、運行立ち上げから万が一の支援まで幅広く提案している。
2025年度は、国土交通省が推進する「交通空白解消」緊急対策事業を活用した多数の支援実績を創出している。




