商用車SDVの勝ち筋を読み解く…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光氏[インタビュー]

商用車SDVの勝ち筋を読み解く…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光氏[インタビュー]
商用車SDVの勝ち筋を読み解く…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光氏[インタビュー]全 3 枚

来たる2月25日、オンラインセミナー『「儲かるSDVサービス」の解像度:UXで攻める乗用車、TCOで稼ぐ商用車』が開催される。セミナーに登壇するのは、KPMGコンサルティング株式会社 プリンシパルの轟木光氏。

今回のセミナーは以下のテーマで進められる。

1. 「走るスマホ」か「働くスマホ」か
2. 乗用車でも商用車でも進む、SDVコスト削減の現在地
3. ハードウェアはもう終わった技術なのか
4. 日本企業への示唆:儲かるSDVサービスでの勝ち筋
5. 質疑応答

セミナーに先立ち、見どころを轟木氏に聞いた。

走るスマホと働くスマホ

SDVへの要求と制約条件を整理すると、乗用車と商用車ではその特性に大きな差が生じる 。乗用車がブランド体験を目的とするのに対し、商用車は、利益創出を目的としているからだ 。

轟木氏は、この違いを次のように指摘する。「乗用車と商用車では、SDVとしての進化の形が決定的に異なります。乗用車は、お客様の体験価値(UX)を上げていくことを目指していますが、正直なところ、ソフトウェアの更新だけで直接的にお金を取ることは難しいのが現状です。そのため、開発効率の向上やブランド価値の維持といった側面が強くなります」。

一方で、商用車におけるSDVは、よりシビアな経済合理性に基づいている。「物流を担う商用車に求められるのは、ドライバーを楽しませる機能ではありません。とにかく利益を上げたい、というニーズが根底にあります。そのためには、TCO(総保有コスト Total Cost of Ownership)をいかに下げるか、そして故障によるダウンタイムをなくして稼働時間をいかに増やすかが重要になります。この経済合理性が明確であれば、顧客は投資をします。私は、現段階でSDVサービスの本命は商用車であると考えています」。

「儲かるSDVサービス」の解像度:UXで攻める乗用車、TCOで稼ぐ商用車 セミナー資料

投資対効果がSDV化を加速

商用車においてSDV化が推進される背景には、投資対効果の見えやすさがある。乗用車のライフサイクルが約10年であるのに対し、商用車は15年・100万kmといった長期にわたる運用が前提となる。

「商用車は長年使い続けるものですから、ソフトウェア更新によって車両の残価(残存価値)を維持・向上できる可能性があります。中古車市場でもトラックの価格はもともと高いですが、それをさらに高められる可能性があります」。

さらに、OTAによる予防整備も直接的なコスト削減につながる。「故障の予兆を事前に管理し、深刻な事態になる前に整備を行うことで、ダウンタイムを最小限に抑えられます。動いている時間が利益を生む商用車にとって、稼働率の向上は売上増加に直結する大きなメリットです」。

「儲かるSDVサービス」の解像度:UXで攻める乗用車、TCOで稼ぐ商用車 セミナー資料

ドライバー不足がSDV化の要因のひとつ

SDV化を技術面で支えるのが、従来の分散型ECUアーキテクチャから、中央集中型アーキテクチャへの移行だ 。これは自動運転機能を実現するための必須要件であると轟木氏は指摘する。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

+ 続きを読む

アクセスランキング

  1. ここまで変わる? ホンダ『アコード』次期型の新デザインを予想
  2. トヨタ、WEC富士でル・マン優勝車や新型スーパーカー『GR GT』を展示 9月25日-27日
  3. 【マツダ ロードスター 新型試乗】規制対応を逆手に大胆進化! 如実に変わった操舵感とクリアなエンジンサウンド
  4. ダイハツ『ムーヴ』など3車種1万台にリコール… 内装材が燃焼基準に不適合
  5. 日産『エルグランド』新型が“このデザイン”になったワケ…ニュースランキング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 居眠り・脇見を監視、「DMS」を義務化…乗用車は2031年から、バス・トラックではすでに普及
  2. 【全文PDFプレカン】日産自動車 長期ビジョン発表会
  3. ホンダの交換式電池、建設現場で実証…高さ385mの「トーチタワー」
  4. 「発想が素晴らしい」ヤマハが開発した保育現場向け「電動アシストお散歩カー」が話題に、「補助金回して」の声も
  5. ポルシェはなぜブガッティを手放した? 10億ユーロで売却、選択と集中へ
ランキングをもっと見る