2 | スヌーピーの顔をもつ巨大ダックスフンド |
今回A380は第1ターミナル東側のメンテナンス用エリアに駐機、搭乗用ブリッジがないエプロンでの“沖止め”となった。
外観は、広いエプロンで駐機したことや、周囲を移動するジャンボ機との比較もあってか、さほど大きさを感じない。しかし機体の下回りや車輪のそばを歩く関係者を見ると、本当の大きさや重厚感が伝わってくる。
A380は機体全体が低く構えている。ダックスフンドに似た低重心の機体形状は、総2階建て構造の実現と飛行時の騒音対策やメンテナンスなどに配慮したデザインと理解する。さらに地上滑走時の安定性や車輪の格納時間の短縮などにも配慮したようだ。
そんな中、目についたのがフロントマスク。アメリカ漫画のスヌーピーとそっくりである。操縦席はどちらかというと1階部分に近い“中2階”に位置し、レーダーが納まるノーズから操縦席のウインドウ、そしてちょっと頭でっかちな胴体に流れるラインは、空力面や騒音抑制に配慮した形状とのこと。
A380の最大離陸重量は560トンにも達する。この機体が空中に浮くのは、主翼下にある4基のジェットエンジンのお陰だ。A380のエンジンには2つのブランドが設定され、航空会社で選択する。英ロールスロイス社製の「トレント900」、または米ジェネラルエレクトリック社を中心とする企業グループにより開発・製造の「GP7200」を選べる。
自動車ほどの詳しい性能諸元は公開されないが、両社の資料は、巨大な機体と長距離・重量運行にあって、従来機種や競合するB747よりも静かで排出ガスも少ない、省燃費型エンジンであることを強調している。筆者はフライトを体験・見聞していないが、空港関係者によると離発着は機体の大きい割に静かだったという。